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2010/7/23

企業情報 - 自動車メーカー

VW、リチウムイオン電池を低価格化

この記事の要約

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、米国の研究拠点Electronics Research Laboratory(ERL)を訪れた際に、リチウムイオン電池の低価格化により、 […]

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、米国の研究拠点Electronics Research Laboratory(ERL)を訪れた際に、リチウムイオン電池の低価格化により、電気自動車(EV)と従来の内燃機関エンジン搭載モデルの価格差を約5,000ユーロに抑えることができるとの見通しを示した。また、EVの普及促進に向けて欧州連合(EU)全体でEV購入補助金制度を導入すべきとの考えも明らかにした。『フィナンシャルタイムズ(ドイツ版)』紙が報じた。

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VWは、独自に開発したバッテリー用セルと並行して、携帯電話やノート型パソコンなどに搭載されている「18650型」リチウムイオン電池セルを使用したバッテリーの開発を進めてきた。米カリフォルニア州のパルアルトにあるERLでは18650型セルのバッテリーの開発に重点を置いており、このほど低価格での生産に成功したという。

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VWが実施した調査によると、消費者は従来の内燃エンジン搭載モデルとEVの価格差が3,000ユーロ以下であれば購入の用意があるという結果が得られた。例えば、政府のEV購入補助金で2,000ユーロの支援があれば、VWのEVモデルは従来モデルと同水準となる計算。ヴィンターコルン社長が提唱するEU全体のEV購入補助金が実現されれば、VWにとっては大きな追い風となる。

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VWは2013年にシティーカー「Up」および「ゴルフ」のEVモデルを発売する計画。メディア報道によると、これに続いて「ジェッタ」と中国仕様車「Lavida」のEVモデルを発売する計画もあるもよう。

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VWはドイツのヴォルフスブルク本社で、グループブランド全ての研究開発を調整する一方、米国(ERL)、中国(VRC)、東京(VTT)の3カ所にある研究拠点で各市場の需要に応じた開発を実施している。ERLは国外では最大の研究拠点(従業員約100人)で、パワーエレクトロニクス、バッテリーシステム、安全システムなどを開発している。

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