欧州では日本からの輸入車や部品に放射線量検査を実施する動きが出始めている。日系自動車メーカーではこれまでにトヨタとマツダが日本からの輸入車に対し徹底した放射線量検査を実施する方針を表明した。一方、独自動車部品大手のコンティネンタルやZFフリードリヒスハーフェンは空港や港などですでに検査は実施されているとして、独自に検査する予定はないとしている。
\マツダは欧州に工場を持たないため、欧州で販売する車両は全て日本から輸入している。同社では原発事故による放射能の影響に不安を持つ顧客に対し、工場は福島から約1,000km離れた広島や山口県の防府にあるほか、部品の大部分は西日本に工場を持つ部品メーカーから調達しているため影響はないと説明。さらに、放射能量検査を徹底し、安心確保に務めるとしている。トヨタも放射能量検査を徹底するため健康への影響はないと説明している。
\ \■ 独ディーラー大手、検査は必要なし
\ \独立系自動車ディーラー大手のヴェラー・グループでは、独自の放射線量検査は実施しない方針を示している。同社のヴェラー社長は独業界紙『オートモビルボッヘ』に対し、同社が販売するモデルの77%は欧州域内の工場で生産されているためと説明。日本からの輸入車はトヨタ「ヴァーソS」とレクサス「CT200h」の2モデルにとどまるとした。
\同2モデルについても、トヨタのドイツ法人が年内に販売を計画する6,000台(「ヴァーソ・エス(Verso S)」約4,000台、「CT200h」約2,000台)のうち約70%はすでにドイツに輸入されているか洋上の貨物船の中にあるとして、甚大な影響なないとの見解を示している。
\