2011/2/21

欧州ビジネスウオッチ

仏サノフィ、米ジェンザイム買収で合意

この記事の要約

仏製薬大手サノフィ・アベンティスは16日、米バイオ製薬大手ジェンザイムを買収することで合意したと発表した。ジェンザイムは買収を拒否していたが、サノフィが1株当たりの買い取り価格を従来の69ドルから74ドルに引き上げ、同意 […]

仏製薬大手サノフィ・アベンティスは16日、米バイオ製薬大手ジェンザイムを買収することで合意したと発表した。ジェンザイムは買収を拒否していたが、サノフィが1株当たりの買い取り価格を従来の69ドルから74ドルに引き上げ、同意を取り付けた。これにより9カ月に及んだ攻防戦が決着。6月末までに買収手続きが完了する見込みだ。

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ジェンザイムは希少疾患の治療薬に強みを持つバイオ企業。サノフィは昨年8月、ジェンザイムに総額185億ドルでの買収を提案したが、ジェンザイム側は価格が低すぎるとして拒否。10月に敵対的買収に踏み切ったものの、株式公開買い付け(TOB)は不調だった。

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サノフィは1株当たり74ドルを支払うことで、ジェンザイムを総額201億ドルと評価した形となる。さらにサノフィは、ジェンザイムが開発している多発性硬化症治療薬など3つの新薬の業績に応じて、2020年までに1株当たり14ドルを上乗せして支払うという条件を提示。この条件引き上げをジェンザイム経営陣は受け入れ、買収に応じた。

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サノフィは同社が開発した新薬の売上げが後発医薬品の登場で減少傾向にある。新たな収益基盤を確保するためジェンザイム買収を決めた。

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