2011/2/28

環境・通信・その他

航空機への騒音規制の罰金適用は合法、欧州司法裁の法務官が見解表明

この記事の要約

欧州司法裁判所はこのほど、空港近辺の住宅密集地域の航空機による騒音に対して、加盟各国は地上の騒音規定に基づいて罰則を科す権利があるとする法務官見解を明らかにした。これは独急送便大手DHLの傘下のEATが、ブリュッセル市当 […]

欧州司法裁判所はこのほど、空港近辺の住宅密集地域の航空機による騒音に対して、加盟各国は地上の騒音規定に基づいて罰則を科す権利があるとする法務官見解を明らかにした。これは独急送便大手DHLの傘下のEATが、ブリュッセル市当局から騒音制限に違反しているとして罰金を科せられたことを不服として訴えていることに関するもの。欧州司法裁判所は法務官の意見に沿った判断を示すことが多く、EATの主張が退けられる公算が大きい。

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ブリュッセル市当局は空港を夜間に離発着するEATの航空機の騒音が制限水準を超えているとして、2007年に同社に5万6,113ユーロの罰金支払いを命じた。これに対してEATは、制限水準は地上の騒音に対するもので航空機からの騒音は対象とならず、ブリュッセル市の規制は域内の運営の自由を認めるEUルールに違反しているとして訴えていた。

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しかし法務官は、ベルギーの規制は空港の離発着を制限するものではなく罰金を科しているだけであり、EUルールには違反していないと指摘。また欧州人権裁判所の判断では、騒音は環境汚染の一部であり加盟各国は航空機の騒音を防止する措置を取ることができるとして、「私的生活や家庭生活に対する基本的権利や環境保護に対する権利など基本的権利の保護により、こうした措置の適用は正当化される」との見方を示した。

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