2011/12/27

環境・通信・その他

欧州委が自動車騒音の規制強化案を発表、2段階で上限引き下げ

この記事の要約

欧州委員会はこのほど、自動車の騒音規制を強化する法案を発表した。EU域内で販売されるすべての乗用車、バン、バス、商用車を対象に、現行規制の上限値を2段階で引き下げることなどを柱とする内容。欧州委は一連の措置により、5年後 […]

欧州委員会はこのほど、自動車の騒音規制を強化する法案を発表した。EU域内で販売されるすべての乗用車、バン、バス、商用車を対象に、現行規制の上限値を2段階で引き下げることなどを柱とする内容。欧州委は一連の措置により、5年後には騒音レベルが現在に比べて25%低下すると予測している。欧州議会とEU加盟国の承認を経て新ルールを導入する。

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EU内では走行する車両の数や交通量の増加にもかかわらず、騒音の規制値は1996年から変わっておらず、EU市民の健康への影響が懸念されている。欧州委のタヤーニ副委員長(産業・起業担当)は「新たな規制によって騒音の少ない自動車が域内を走行するようになり、多くのEU市民を苦しめている道路交通騒音を大幅に低減することができる。さらにEUの提案が国際的なルール作りにつながり、欧州メーカーは域外で製品を販売しやすくなる」と語った。

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法案によると、乗用車、バン、バス(路線用および長距離用)の規制値は、第1段階にあたる新ルールの発効から3年後に2dB(A)、その2年後の第2段階でさらに2dB(A)引き下げられる。軽商用車と大型商用車の規制値は第1段階で1dB(A)、第2段階では2dB(A)引き下げられる。一方、公道走行時と認可試験の際の騒音値が著しく異なる事態を防ぐため、欧州委はより正確な数値が得られる新たな試験方法の導入を提案している。また、ガソリンエンジン車などに比べて走行音が静かな電気自動車やハイブリッド自動車に関しては、安全性確保のため、音量が適正なレベルであることを条件に、人工音を発生させて歩行者に車の接近を知らせる「車両接近通報システム(AVAS)」の搭載が認められる。

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