2012/10/1

総合 –EUウオッチャー

9月のユーロ圏インフレ率、2.7%に上昇

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが9月28日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比2.7%となり、前月から0.1ポイント上昇した。インフレ率の上昇は2カ月連続。欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を大幅 […]

EU統計局ユーロスタットが9月28日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比2.7%となり、前月から0.1ポイント上昇した。インフレ率の上昇は2カ月連続。欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を大幅に超過し、6カ月ぶりの高水準となった。

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詳細は16日に発表されるが、原油高でエネルギー価格が上昇したほか、スペインの付加価値税(VAT)の標準税率が9月1日付で18%から21%に引き上げられたことが反映されたとみられている。

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ECBはユーロ圏の景気が悪化し、6カ国が景気後退局面にあることから、7月に0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利を史上最低水準となる年0.75%に引き下げた。その後にドラギ総裁は、「現在の危機を軽減するための行動を引き続き模索していく」と述べ、追加利下げに踏み切る用意があることを示唆した。市場ではインフレ率上昇によって、追加利下げが難しくなったと見る向きがある一方で、エネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は許容範囲内にあることから、「遅かれ早かれ金利を0.5%まで引き下げる」(市場調査会社IHSグローバル・インサイトのハワード・アーチャー氏)との見方も出ている。

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