2014/2/10

環境・通信・その他

域内の汚職深刻、年1200億ユーロの損失=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は3日、EU内の汚職に関する初の報告書を発表し、すべての加盟国で汚職が根絶されておらず、これに伴う経済損失がEU年間予算に匹敵する年1,200億ユーロに上るとの試算を示した。 EUは世界で汚職が最も少ない地域と […]

欧州委員会は3日、EU内の汚職に関する初の報告書を発表し、すべての加盟国で汚職が根絶されておらず、これに伴う経済損失がEU年間予算に匹敵する年1,200億ユーロに上るとの試算を示した。

EUは世界で汚職が最も少ない地域と認識されている。しかし、同報告書によると、欧州委が行った聞き取り調査では、対象企業7,842社の69%が公共事業を受注するために最も手っ取り早い方法は贈賄、政治家とのコネクション確立と回答。EUで事業を展開する上で汚職が大きな障害になっていると答えた企業が4割に上った。報告書は特に建設業、医療、都市開発で汚職の余地が大きいと指摘している。

一般市民で汚職が蔓延していると答えた割合は76%に達し、過去1年間に汚職を体験または目撃した人も8%に上った。

報告書は国別の細かいデータを示していないが、汚職の深刻度は加盟国によって大きな開きがあり、ギリシャ、イタリア、スペイン、チェコ、リトアニアでは、ほぼ全ての企業が国内では汚職が横行していると回答。これに対してデンマーク、フィンランド、スウェーデン、ルクセンブルクでは汚職度が低かった。