欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/29

東欧・ロシア・その他

ロシア上院、流し網漁の禁止法案を可決

この記事の要約

ロシア上院は24日、排他的経済水域(EEZ)でのサケ・マスの流し網漁を来年1月1日から禁止する法案を可決した。同法案は下院が10日に可決しており、プーチン大統領の署名を経て施行となる。日本は来年からの漁が事実上できなくな […]

ロシア上院は24日、排他的経済水域(EEZ)でのサケ・マスの流し網漁を来年1月1日から禁止する法案を可決した。同法案は下院が10日に可決しており、プーチン大統領の署名を経て施行となる。日本は来年からの漁が事実上できなくなり、北海道の漁業を中心に大きな打撃を受ける。

日本は1985年に締結された日ソ漁業協力協定に基づき、毎年ロシア側と漁獲量を取り決めた上でサケ・マス流し網漁を行ってきた。根室市の試算では、禁止法案が施行された場合の北海道東部への影響は、加工・輸送業者まで含めると年間で251億円に上る。

同法案はロシア極東カムチャツカ地方の議員らが昨年12月、「水産資源の保護と環境保全」を理由に下院に提出した。ロシア漁船も含めて流し網漁を禁止する内容のため、日本と同様に流し網漁を行うサハリン州政府は反対していた。

ロシア上院のマトビエンコ議長は24日の審議で、法案は日本を狙い撃ちにしたものではないと述べ、一部にある日本の対ロ制裁への対抗措置との考えを否定した。同時に、日ソ漁業協力協定は今後も有効だとし、「日本への漁獲割当量は削減しない」と述べた。

昨年のロシアEEZでの流し網漁による日本の漁獲高は約6,400トンだった。