2010/5/12

コーヒーブレイク

ウクライナでスターリン胸像が建立

この記事の要約

スターリンといえば、数百万人に及ぶ国民を「大粛清」の名のもとに抹殺し、ヒトラーと組んでポーランドを分割占領、第二次大戦をぼっ発させたソ連の独裁者として知られる。一方、ロシアには「第2次大戦の勝利はスターリンの指導のおかげ […]

スターリンといえば、数百万人に及ぶ国民を「大粛清」の名のもとに抹殺し、ヒトラーと組んでポーランドを分割占領、第二次大戦をぼっ発させたソ連の独裁者として知られる。一方、ロシアには「第2次大戦の勝利はスターリンの指導のおかげ」などと慕う信奉者もおり、評価の分かれる指導者だ。このほど、ウクライナで同氏の胸像が建立され、物議をかもしている。

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胸像がお目見えしたのは、東部ザポリージャ。現地の共産党が寄付金により8万フリブナを調達し、第2次大戦の戦勝記念日である9日を前に党の敷地内に胸像を建てた。

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だが、ウクライナ人はスターリンにとりわけ強い嫌悪感を持つ。スターリンが1930年代に強制的に実施した農業集団化によりウクライナで大飢饉が発生、1,000万人近くが死亡したとされるほか、大粛清でも重点的に狙われたという。こうした経緯から、ウクライナでスターリンの胸像建立など言語道断。現地英字紙『キエフ・ポスト』は「冗談かと思った」というウクライナ人女性の声を伝えている。

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この胸像は早くも狙われており、ウクライナの極右政党Svobodaは「胸像は長く持たない」とうそぶいているという。一方の共産党は「24時間体制で胸像を守る」と死守の構えだ。ヤヌコビッチ大統領の就任以来、関係改善が図られているロシアとウクライナ。妙なところからほころびが出なければいいが。

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