2011/8/3

ロシア

ロシア製造業PMIが50切る、外需縮小で

この記事の要約

英大手銀行HSBCと調査会社マーキット・エコノミクスが1日発表したロシアの7月製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は49.8となり、前月から0.8ポイント低下した。2009年12月以来で初めて、景気判断の分か […]

英大手銀行HSBCと調査会社マーキット・エコノミクスが1日発表したロシアの7月製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は49.8となり、前月から0.8ポイント低下した。2009年12月以来で初めて、景気判断の分かれ目となる50を下回った。主要仕向先である中国とユーロ圏諸国の景気悪化が響いた。

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構成指数をみると、新規受注、国外新規受注ともに低下した。生産は24カ月連続で増加したが、そのペースは鈍っている。受注残は22カ月連続で減少。6月に低下した雇用はわずかながら増加に転じた。インフレ圧力は年初に比べてずっと弱くなっている。

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HSBCのモロゾフ主任エコノミスト(ロシア・CIS担当)は、「生産は増加を続けているが、需要が縮小に転じており、景気後退の兆しがみえる。中国とユーロ圏の製造業PMIがそれぞれ50.4、49.3に低下したことを考えれば、ロシアのデータは驚くに値しない。」と指摘。今年下半期の動向については、「世界経済の減速がストップし、ロシア製品の需要が回復する。ただ、経済開発省が予想するような経済の加速はない」とコメントしている。

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ロシア経済開発省によると第2四半期の国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比3.7%と、第1四半期の4.1%を0.4ポイント下回った。BRICSに数えられる他の新興国(ブラジル、インド、中国)に大きく差をつけられている。

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PMI指数は製造業者の購買担当者が報告する新規受注、生産、雇用、納期、仕入れ在庫に関するデータをもとに、それぞれ指数化しその加重平均で表される。50を上回ると景況の改善、下回ると悪化を示す。

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