2011/8/3

ハンガリー

ハンガリーのVAT規定、欧州法に違反

この記事の要約

欧州裁判所は7月28日、ハンガリーの付加価値税(VAT)払戻し規則が部分的に欧州法に抵触しているとの判決を下した(判決番号:C-274/ 10 )。これにより、600億~1,000億フォリントの税収不足が見込まれるが、政 […]

欧州裁判所は7月28日、ハンガリーの付加価値税(VAT)払戻し規則が部分的に欧州法に抵触しているとの判決を下した(判決番号:C-274/ 10 )。これにより、600億~1,000億フォリントの税収不足が見込まれるが、政府は同日、今年と来年の財務目標を維持する姿勢を明らかにした。不足を補うために石油大手MOLの政府保有株売却も検討する意向だ。

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ハンガリー法では、すでに決済を終えた取引についてのみ、VATの払戻しを認めている。このため、企業は未払い分のVATの会計処理を次の決算期に持ち越さなければならなくなる。欧州栽はこの規定が、付加価値税の共通システムに関する2006年11月28日付理事会指令(2006/112/EC)に違反すると認定した。

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ハンガリーの金融サイト「Portfolio.hu」では、財政の穴を埋めるために政府が取れる手段はわすかと指摘。MOL株の売却案が真剣に検討されはじめたのを当然の成り行きとみる。ただ、現在の市況では売却損が出るため、MOL株価が上昇しない限り、政府は説明に苦しむことになりそうだ。一方、民間年金基金から取得した証券の価値は540億フォリントに上る。他の使途が決まっていなければ、これらの証券を売却することでMOL株の売却規模を縮小することが可能としている。

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政府は判決に沿い、規定を改正する立場を明らかにした。しかし、VAT払い戻し規定を欧州法に適合させる義務を怠ったのは、以前の政権党であるハンガリー社会党 (MSZP)と自由民主同盟 (SZDSZ)であると批判し、自らの責任を否認した。(1HUF=0.41JPY)

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