2011/9/21

総合・マクロ

黒海パイプライン敷設で株主合意書に調印=サウス・ストリーム計画

この記事の要約

ロシア国営ガス会社のガスプロムは16日、プーチン首相の立会いの下、天然ガスパイプライン建設計画「サウス・ストリーム」の実行に向け、独化学大手BASF子会社のヴィンタースハル、イタリア炭化水素公社(ENI)、フランス電力公 […]

ロシア国営ガス会社のガスプロムは16日、プーチン首相の立会いの下、天然ガスパイプライン建設計画「サウス・ストリーム」の実行に向け、独化学大手BASF子会社のヴィンタースハル、イタリア炭化水素公社(ENI)、フランス電力公社(EDF)と株主合意書に調印した。黒海パイプラインの敷設が対象で、プロジェクトへの出資比率はガスプロムが50%、ENIが20%、EDFとヴィンタースハルが各15%となる。

\

サウス・ストリームは、ガス輸送をめぐる紛争の絶えないウクライナを経由せずに欧州へガスを供給する目的で、ロシアが主導して建設を進めている。黒海パイプラインでロシアとブルガリアを結び、その先は中欧と南欧の2方面に向けて輸送路を整備する。年間輸送能力は630億立方メートルで、建設費は最大250億ユーロと見積もられている。

\

欧州連合(EU)はロシア産ガスへの依存を弱める狙いで、中央アジアと南欧を結ぶ「ナブッコ・パイプライン」計画を支援している。しかし、ガスの供給元が確保できていないなど、プロジェクトは遅れぎみだ。今回のサウス・ストリーム株主合意で、また一歩、リードを広げられた感がある。

\

ロシアは先ごろ、やはりウクライナを迂回する狙いで敷設したバルト海天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」が開通したばかり。遅くとも11月にはドイツへの輸送が始まる見通しだ。

\