2013/5/15

総合・マクロ

中東欧・旧ソ連で金融緩和続行、4カ国が利下げ

この記事の要約

ユーロ圏の政策金利を史上最低水準まで下げた欧州中央銀行(ECB)と歩調を合わせ、中東欧・旧ソ連諸国でも利下げの動きが続いている。ポーランドが8日、過去最低の3%に引き下げたほか、中央アジアのグルジアも同日、金融緩和を継続 […]

ユーロ圏の政策金利を史上最低水準まで下げた欧州中央銀行(ECB)と歩調を合わせ、中東欧・旧ソ連諸国でも利下げの動きが続いている。ポーランドが8日、過去最低の3%に引き下げたほか、中央アジアのグルジアも同日、金融緩和を継続して4.25%への利下げを発表した。14日にはセルビアが11.75%から0.5ポイント引き下げ、11.25%とすることを決定。2011年に通貨切り下げを実施したベラルーシもインフレ率低下などを理由に15日から金利を引き下げる。

\

ポーランド国立銀行(NBP)は主要政策金利であるリファレンス金利を0.25ポイント引き下げ、過去最低の3%に設定した。3月の利下げで金融緩和局面が終了したとの見方だったが、最近の経済データで、近い将来の景気回復見込みが薄い状況が明らかになり、金利調整に踏み切った。

\

ベルカ総裁は今回の判断が新たな利下げ局面の開始でないとしながらも、今後の利下げの可能性に含みを持たせた。

\

欧州委員会は今年のポーランド経済成長率を2001年以来で最も低い1.2%と予測している。

\

グルジア国立銀行は8日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、4.25%に設定した。今後1年~1年半の物価上昇予測が低下し、年内のインフレ率が国立銀行の目標値を下回る見通しとなったためだ。4月の総合インフレ率はマイナス1.7%とデフレ傾向を示した。

\

今年第1四半期の主要経済指標も予想値を下回った。商業銀行の新規融資も低調なままで、利下げ続行の条件がそろったともいえる。

\

ベラルーシ中央銀行は6日、インフレ率の低下などを理由に15日から政策金利を2.0ポイント減の25%に引き下げると発表した。政府予想では、前月比物価上昇率が3月の1.1%から1%以下に低下する見通しという。

\

同国は先月17日にも1.5ポイントの利下げを実施したばかり。年初以来の引き下げ幅は今回を含めて5.0ポイントに上る。貿易黒字に支えられて為替相場が安定し、ベラルーシ・ルーブル建ての預入高が堅調に伸びていることなどを根拠としてきた。

\

年間インフレ率は3月に22.2%を記録するなど依然として高い水準が続いている。政策金利も2011年の経済危機で65%の通貨切り下げを実施したことから一時は45%まで上昇した。低下してきたとはいえ、今でも高金利であることは間違いない。

\

政府は年末までに20~23%程度に引き下げたい意向だ。専門家らの意見では、年間インフレ率が19~22%に収まることがその前提となる。

\

国際通貨基金(IMF)はベラルーシに対し、時期尚早な利下げを行わないよう警告していた。インフレが再び加速して、利上げが必要になる恐れを指摘している。

\
ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |