2013/5/15

チェコ・スロバキア

チェコの有機農業ブーム減速か

この記事の要約

チェコの有機農業ブームに減速の兆しが見えている。農業省のまとめによると、2012年の有機農家戸数は3,394戸と、前年から14戸の伸びにとどまった。ここ数年、有機農家の戸数は数十%のペースで増加していたが、その勢いにブレ […]

チェコの有機農業ブームに減速の兆しが見えている。農業省のまとめによると、2012年の有機農家戸数は3,394戸と、前年から14戸の伸びにとどまった。ここ数年、有機農家の戸数は数十%のペースで増加していたが、その勢いにブレーキがかかった格好だ。農業省は、昨年から新規に有機農業を始める農家に対する補助金制度を廃止したことが原因だとの見方を示している。

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12年は有機食品メーカーの数が646社と、前年比23%の減少となった。ただ、有機農地面積は48万8,658ヘクタール(ha)で、前年から5,631ha拡大した。農地全体に占める比率は11.46%と、欧州でトップクラスだ。作物別ではワイン用ぶどうが35haから1,000haに、果物が33%増の6,672haに、ホップが1ha増の11haにそれぞれ拡大した。政府は2010年12月、有機農地を全体の15%まで拡大する方針を決定している。

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公益法人バイオインスティテュートがまとめた2011年の有機農業年次報告書によると、10年の有機農産物の売上高は21億コルナ(8,300万ユーロ)で、05年と比べ3倍に拡大した。欧州では牛肉加工食品に安価な馬肉を混入する食品偽装スキャンダルが問題となり、チェコでも安全な食品に対する関心が一段と高まる傾向にある。ただ、有機食品に対する国民一人当たりの年間支出額は7.4ユーロと、ドイツの74ユーロと比べ低水準にとどまっており、今後の伸びが期待される。

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