2014/7/16

チェコ・スロバキア

スロバキア、VAT税率20%を維持

この記事の要約

スロバキア議会は8日、与党「スメル(道標)」などの賛成で付加価値税(VAT)の比率を現行の(20%)に据え置くとする内容の法改正案を可決した。VAT減税を公約に掲げてきた同党が税率維持に姿勢を転換したことで、国民の反発が […]

スロバキア議会は8日、与党「スメル(道標)」などの賛成で付加価値税(VAT)の比率を現行の(20%)に据え置くとする内容の法改正案を可決した。VAT減税を公約に掲げてきた同党が税率維持に姿勢を転換したことで、国民の反発が強まる可能性がある。

スロバキアでは2011年、前政権が財政健全化策の一環としてVAT法を改正。財政赤字が国内総生産(GDP)比で3%を上回っている間、税率を従来の19%より1ポイント高い20%に設定する時限措置を導入。赤字が3%以下に縮小すれば、19%に戻すと定めていた。

欧州連合(EU)の欧州統計局(ユーロスタット)によると、スロバキアの財政赤字は昨年、2.77%にとどまり、この条件を満たした。しかし、1ポイント引き下げると税収が2億3,000万ユーロも減る。政府はこのため、赤字縮小の継続と国家債務拡大の歯止めには税率を維持するほうが良いと判断した。(東欧経済ニュース2010年12月8日号「スロバキア、VAT税率引き上げ 」、同9月15日号「スロバキア、財政健全化策を閣議決定」を参照)