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2014/8/27

総合・マクロ

独首相、ウクライナ支援を改めて表明

この記事の要約

独メルケル首相は23日、ウクライナ政府が東部の親ロシア派武装勢力やロシアと対立している問題で、同国政府を支援していくことを改めて表明した。戦闘の続く東部二州のエネルギー・水道インフラ復旧に5億ユーロを信用供与するほか、避 […]

独メルケル首相は23日、ウクライナ政府が東部の親ロシア派武装勢力やロシアと対立している問題で、同国政府を支援していくことを改めて表明した。戦闘の続く東部二州のエネルギー・水道インフラ復旧に5億ユーロを信用供与するほか、避難者支援に2,500万ユーロを拠出する。また、特にひどい重傷を負った兵士20人をドイツで治療することも約束した。

ウクライナの首都キエフを訪問したメルケル首相は、ドイツの政治目的がウクライナの領土保全と国民の安寧にあると言明。対立の解決は政治交渉でのみ可能とし、政府および親ロ武装勢力の双方に停戦実施を求めた。

ポロシェンコ大統領はこれを受けて、平和的解決を目指す方針を改めて確認した。また、東部二州のインフラ復旧投資に対するドイツの信用供与を、第二次大戦後の欧州に対するマーシャルプランになぞらえ「メルケルプランの始まり」として感謝の意を述べた。

ロシアは22日、飲料水や離乳食などの救援物資を積んだとされるトラック220台超を、ウクライナ政府や赤十字の同意なしにウクライナ東部へ運び込んだ。これに対してはウクライナだけでなく欧州連合(EU)や米国、国連からも強い批判の声があがった。ロシア側はこれに対し、国境で1週間も待たされ、ウクライナ当局の引き伸ばし作戦にがまんができなくなったと反論している。

26日にはベラルーシの首都ミンスクで、ウクライナ・ロシア大統領会談が行われる予定だ。