2015/7/15

ポーランド

スイスフラン建てローンの為替リスク、銀行が5割負担―与党が提案

この記事の要約

ポーランドの与党「市民プラットフォーム」(PO)は8日、議会の財政委員会で、スイスフラン高騰で増大した同通貨建て住宅ローンの返済負担の軽減策として、為替リスクによる返済金額増加分を銀行に半分負担させることを提案した。政府 […]

ポーランドの与党「市民プラットフォーム」(PO)は8日、議会の財政委員会で、スイスフラン高騰で増大した同通貨建て住宅ローンの返済負担の軽減策として、為替リスクによる返済金額増加分を銀行に半分負担させることを提案した。政府は今年1月、銀行に対し、同ローンをズロチ建てに切り替える際に手数料を取らないことや、月々の返済額に上限を設けるなどの勧告措置を導入したが、今回の提案は実質的に大きな負担を強いるものとなる。

ブルームバーグによると、ポーランドのスイスフラン建てローンの契約者は56万人を超え、ローン残高は360億米ドル相当に上る。POの提案によると、居住面積が75平方メートルの分譲アパートなど小規模住宅のローンを対象に、実勢為替レートでローン契約残額をズロチ建てに切り替えることができるようにする。その際、契約時点の為替レートによるローンの借入額と実勢借入額との差額、つまりズロチ建て契約額の増加分を顧客と銀行が折半する。2020年までに約6万件の切り替えがあるとみており、銀行のコスト負担は90億ズロチ(21億3,000万ユーロ)と試算している。

POは、銀行の決算に影響がないようコスト負担は何年もかけて処理できるようにするので、業界の混乱は起こらないと説明する。これに対し、右派野党の「法と正義」(PiS)は、債務者の負担軽減が不充分なうえ、銀行側にも大きな負担を強いるものだと批判している。(1PLN=31.68JPY)