2015/8/19

総合・マクロ

ロシア、オランダ産切り花を一時輸入停止に

この記事の要約

ロシアの農産物監督局は7月末、オランダ産切り花の輸入証明手続きを一時停止すると発表した。害虫ミカンキイロアザミウマ(western flower thrips)が付着している可能性があり、植物防疫上のリスクが懸念されると […]

ロシアの農産物監督局は7月末、オランダ産切り花の輸入証明手続きを一時停止すると発表した。害虫ミカンキイロアザミウマ(western flower thrips)が付着している可能性があり、植物防疫上のリスクが懸念されるという理由だ。農産物監督局では輸入禁止にはあたらないと説明しているが、オランダ産切り花は当面、ロシア市場で流通できなくなる。

さらに農産物監督局は、過去3カ月間に欧州連合(EU)から輸入した切り花を対象に行った検疫検査で、問題があるとして押収した件数が324に上ったと指摘。EUに対して、輸入手続き停止の対象が他の加盟国産の切り花にも拡大するのを避けるため、EUの植物防疫担当機関で植物検疫の問題を協議する必要があるとの見解を伝えたという。

ロシアは輸入率が高いバラ、菊、チューリップの切り花の3分の1をオランダから輸入しているため、今後大幅に値上がりする懸念が浮上している。一方、オランダの園芸植物卸売協会(VGB)は、価格上昇が社会問題になれば露当局が問題解決に動くとして、今回の措置に楽観的な構えだ。VGBによると、今年1-6月の対露輸出額は約1億1,900万米ドルに上った。

オランダ産切り花に対する輸入停止措置は、昨年7月のウクライナでのマレーシア旅客機撃墜事件をめぐり、捜査を主導する同国がロシアの関与を指摘したことに対する政治的圧力が背景にあるとみる向きも多い。