店舗で商品を手に取って試し、店員にアドバイスをもらうものの、購入は競合のオンラインショップで行う――。「ショールーミング」と名付けられたこの購買方法で多くの実店舗が打撃を受けていることが、企業コンサルティング会社SMP(デュッセルドルフ)の調査で分かった。27日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\SMPは消費者2,200人を対象にアンケート調査を実施。実店舗で商品の購入を決め、オンラインで注文したことがあるかを尋ねたところ、「1度はある」との回答は全体の81%に上った。収入が多く若いほどその傾向が強い。
\16歳以上のドイツ人の2人に1人がスマートフォンを所持している現在、低価格もしくは品ぞろえの豊富なオンラインショップをすぐに探し出せることも影響している。最も影響を受けているのが家電量販店で、最大手Media Marktでは来店客の60%弱が他社のオンラインショップで商品を購入。Karlstadtなどデパート大手でも同比率が約50%に上る。(グラフ参照)
\SMPの調査担当者は「これらの店は自社のネットショップをネット販売専門事業者に匹敵するレベルに引き上げることが必要だが、実際には価格が割高だったり品ぞろえが悪く立ち行かないことが多い」と指摘する。靴小売りチェーン大手のDeichmannやC&Aなど製造小売業者は、品揃えの薄さを低価格でカバーしネットショップへの顧客流出率を20%程度に抑えている。H&M(製造小売業)も約31と低い。
\