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2014/3/19

経済産業情報

ESMへの参加は合憲、独議会の予算決定権を侵害せず

この記事の要約

債務危機に直面するユーロ参加国に対する欧州連合(EU)の緊急金融支援の枠組みである「欧州安定メカニズム(ESM)」は予算に関するドイツの主権を侵害しているとしてドイプラー・グメリーン元法相や法律家、市民が起こしていた違憲 […]

債務危機に直面するユーロ参加国に対する欧州連合(EU)の緊急金融支援の枠組みである「欧州安定メカニズム(ESM)」は予算に関するドイツの主権を侵害しているとしてドイプラー・グメリーン元法相や法律家、市民が起こしていた違憲訴訟で、独連邦憲法裁判所(BVerfG)は18日、訴えを退ける判決を下した。判決理由で裁判官は、ドイツの負担上限額が設定されていることを指摘。拠出額が限度額の範囲内にとどまる限り、連邦議会(下院)の予算決定権を侵害しないとの判断を示した。

ESMは危機国支援の枠組みである「欧州金融安定基金(EFSF)」を引き継ぐ恒常的な支援基金で、2012年10月に発足した。資本金は計7,000億ユーロ。ドイツは最大の拠出国で、全体の27.15%に当たる1,900億ユーロを負担する。同基金の支援を受けたのはスペインとキプロスの2国で、総額500億ユーロにとどまっている。

ドイツの拠出に対してはESM条約批准前に違憲訴訟が起こされ、BVerfGは拠出を合憲とする仮処分決定を12年9月の時点で下していた。今回の判決により、法的な問題が最終的に解決したことになる。