欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/8/20

ゲシェフトフューラーの豆知識

事業所委・選挙管理委員の解雇で最高裁判断

この記事の要約

従業員の代表である事業所委員(Betriebsrat)の選挙を行う場合、それに先立って選挙管理委員会が設置される。選挙管理委員となった被用者は任命された時点から選挙結果が公表されるまでの期間、即時解雇に値する重大な問題を […]

従業員の代表である事業所委員(Betriebsrat)の選挙を行う場合、それに先立って選挙管理委員会が設置される。選挙管理委員となった被用者は任命された時点から選挙結果が公表されるまでの期間、即時解雇に値する重大な問題を起こさない限り、解雇されない。これは解雇保護法(KSchG)15条1項第1文に記されたルールである。この条項に関する係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が7月に判決(訴訟番号:2 AZR 505/13)を下したので、ここで取り上げてみる。

裁判は包装材メーカーを相手取って同社の事業所委員の選挙管理委員に応募した被用者が起こしたもの。原告は選挙管理委員に応募した際、同社工場の安全対策が不十分だなどとする発言をビデオ撮影で行い、これをインターネットで公開した。被告メーカーはこれが重大な問題行為に当たるとして、原告に2012年3月15日付で即時解雇を通告した。

1、2審は即時解雇を妥当とする判決を下したものの、最終審のBAGは下級審判決を取り消した。判決理由で裁判官は、事業に悪影響を及ぼす虚偽の発言を意図的に行ったのであれば即時解雇に値するが、原告の場合はそうしたケースに当たらないとの判断を示した。ただ、被告企業を批判する発言を行った時点で原告は選挙管理委員に任命されていなかったことも指摘。原告にはKSchG15条1項第1文の解雇保護規定は適用されないとの判断を示した。

企業情報
経済産業情報
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |