経済協力開発機構(OECD)は4日、「図表で見る医療2015年版」を発表した。ドイツは医療の質が高いものの、予防医療や将来の医療人材確保で大きな課題を克服しなければならないとしている。
15歳以上のドイツ人に占める肥満の割合は2013年時点で24%となり、2000年の20%から4ポイント増加した。米国(同35%)やメキシコ(32%)を下回るものの、調査対象となった28カ国の平均(18%)を大きく上回る。肥満の市民が増加するスピードは極めて速く、これに比例して糖尿病患者が増えている。背景には過度の喫煙と飲酒、不健康な食生活があり、こうした生活の改善が緊急の課題となっている。
ドイツは家庭医が広く普及していることから、診察の予約から受診までの時間が短い。だが、家庭医の42%は55歳以上と高齢で、今後は家庭医が減少し、診察までの時間が長期化する懸念がある。また、社会の高齢化が進展しているにもかかわらず、医師・介護要員の育成が追いついていないのも問題だ。
住民1人当たりの薬剤費支出は678ドルで、OECD平均を30%上回った。