中東欧エネルギー業界の動き

ロスネフチ、インド石油と石油供給契約を締結

ロシア石油最大手の国営ロスネフチは5日、インド国営燃料販売会社のインド石油(IOC)に最大200万トンの石油を供給する契約を結んだと発表した。

クラスノヤルスク地方北部を新たな石油・天然ガス生産の中心地として開発するヴォストク・オイル・プロジェクトについては、インド側が参加の方針を固めたことを受け、ロスネフチ及びインド企業の代表が参加する作業グループを設置することで合意した。

同プロジェクトで生産される原油は、北極海航路経由で欧州とアジアの両方に供給することが予定されている。

チェコ国営電力CEZ、リチウム電池工場の設置を検討

エルツ山地のツィーノヴェツに埋蔵されているリチウムを活用するねらい。

事前調査の結果が良好であれば、来月末までにCEZがリチウム鉱山の経営権を取得する見通しだ。

そのほとんどがツィノーヴェツに存在する。

東欧・南東欧で共通のガスインフラ構築、米の支援で

「東欧天然ガス開発パートナーシップ」(EE-NGP)と呼ばれる同プロジェクトは、パイプラインや備蓄といった輸送インフラの開発・運営のための環境整備を目的としている。

米国の開発援助機関USAIDや米国エネルギー協会(USEA)と各国の送ガス事業者などが協力して実施する。

EE-NGPは、各国による送ガス関連施設の計画及び運用方法の調和や、天然ガス関連インフラの充実を促すことを目的とする一方、地域での天然ガスの利用を増やすことで米国産の天然ガスの輸出を促進する狙いもある。

チェコCEZ、小型モジュール炉でGE日立と提携

チェコ国営電力CEZは3日、GE日立ニュークリアエナジーと小型モジュール原子炉(SMR)の実行可能性調査で提携合意を交わした。

CEZは原子力応用研究の子会社UJV Rezを通して新エネルギー技術として注目されるSMRに取り組んでおり、提携を通じて世界に先駆けてSMRの商業化を目指す。

GE日立によると同SMRは簡素化された設計のおかげで1メガワットあたりのコストを他のSMRや大型原子炉に比べ最大60%削減できる。

米GE、ポーランドのガス火力発電施設を受注

ポーランド電力大手PGEは1月30日、ドルナ・オドラ発電所のガス火力発電施設建設で米ゼネラルエレクトリック(GE)および同提携先である地元建設大手ポリメックス・モストスタルと発注契約を交わした。

国内北東部のドルナ・オドラ発電所は現在、石炭火力発電8機で稼働中。

同発電所の1、2号機は21年に稼働停止となる予定だ。

露ルクオイル、トルクメニスタン進出に意欲

ロシアの民間石油・ガス最大手ルクオイルのアレクペロフ社長は5日、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領と首都アシガバードで会談し、同国の石油・ガス開発への進出に意欲を表明した。

両者はトルクメニスタンの潤沢な資源の将来展望について意見交換する中で、特に同国のエネルギー戦略、世界市場への石油・ガス供給多角化、生産・精製能力の向上、石油・ガス・化学産業の開発、ハイテク製品の生産などに注目した。

ベルディムハメドフ大統領も国営石油会社トゥルクメンネビットおよび国営ガス会社トゥルクメンガスを交えて提案を協議し検討すると前向きな姿勢を示した。

ブルガリア、年内にロシアからの天然ガス輸入を半減

ブルガリアのペトコヴァ・エネルギー相は1月28日、訪問先の米国で、年内にロシアからの天然ガス輸入を半減する方針を明らかにした。

アゼルバイジャン産の天然ガスはジョージアとトルコを経由して調達する。

年末までにギリシャ経由で5億立方メートルを調達している。

露石化企業ティタン、フェノールとアセトンの生産施設が稼働

新施設ではプラスチック製品の原料となるフェノールを年間9万トンとアセトン5万5,800トンを生産する。

今後さらに拡張し、フェノールとアセトンの原料となるキュメンを年間16万トン生産することも計画している。

開所式に出席したマントゥーロフ産業貿易相によると、同社によるフェノールとアセトンの生産を通じて輸入代替を進めるほか、2024年までに輸出額を25倍にすることを目指す。

石油大手ロスネフチ、掘削リグ運用にAIを導入

掘削リグの運用を自動化することにより、掘削する速さを示す掘進率は平均で15%向上した。

同システムの運用により掘削時間は1日短縮され、掘削リグ1基当たり500万ルーブル(約7万ユーロ)の費用が削減できるという。

同社はすで大型掘削リグの97%にAIによるデータ監視システムを導入しており、遠隔監視施設を10カ所設置している。

トルコとアルジェリア、経済関係強化で合意

トルコのエルドアン大統領は26日、アルジェリアの首都アルジェで同国のテブン大統領と会談し、両国の経済関係強化で合意した。

エルドアン大統領はアルジェリアについて、「北アフリカにおける我が国の重要な戦略的パートナーの一つで、マグレブ、アフリカ市場進出への門戸だ」と話し、同国との関係を重視している姿勢を明確にした。

アダナ石化プラントについて、アルジェリアのアルカブ・エネルギー相は、「トルコのエンジニアリング大手ルネサンスと、アルジェリア国営石油ソナトラックが合計14億ドルを出資して建設する」と話した。

エストニア企業、小型モジュール炉実用化に向け欧州2社と提携

エストニアのエネルギー企業フェルミ・エネルギアは28日、小型モジュール原子炉の実現に向け、フィンランドのエネルギー大手フォータムおよびベルギーのエンジニアリング会社トラクテベルと提携することで合意、契約に調印した。

設置に適したモデルの調査および小型軽水炉の予備調査で協力するとともに、各社の持つ研究成果を共有する。

トラクテベルは仏エンジ―グループのエンジアリング企業で、エネルギー企業向けに総合サービスを提供する。

ソカールとルクオイル、カスピ海のオフショア鉱区を共同探査

アゼルバイジャン国営石油会社ソカールは23日、ロシアの民間石油大手ルクオイルと、アゼルバイジャン領カスピ海のオフショア鉱区での3つの探査事業で協力する覚書を交わした。

ゴシャダシュは沖合15キロメートル、水深50メートルの浅海に位置する。

両社は2018年9月にゴシャダシュ鉱区の探査協力で合意していた。

ロスネフチ、独バイエルンオイルへの出資引き上げ

ロシア石油最大手の国営ロスネフチはこのほど、独石油精製会社バイエルンオイルへの出資比率を25%から28.57%に引き上げたと発表した。

ロスネフチの現地子会社、ロスネフチ・ドイチェランドが英石油大手BPから株式を取得した。

石油精製でドイツ3位のロスネフチは東部シュベートの石油精製会社PCKの株式54.17%の他、南西部カールスルーエの同業MiROの24%を保有している。

米ウエスチングハウス、ブルガリア原発の増強を受注

米原子炉製造大手ウエスチングハウスは16日、ブルガリアのコズロドゥイ原発の運営会社から原子炉の近代化を受注したと発表した。

コズロドゥイ原発には原子炉が6基あるが、ブルガリアの欧州連合(EU)加盟交渉の結果、1、2号機は2002年に、3、4号機は2006年末に閉炉した。

5号機は1987年、6号機は1991年に稼働した。

石油大手シェル、ロシア事業の強化を計画

ロイター通信は昨年11月に「サハリン2」の増産計画が凍結されたと報道していた。

サハリン2の増産計画については「検討中であり、凍結の事実はない」とし、ロイター通信の報道を否定した。

翌5月にはサハリンエナジーの過半数株を持つ国営ガスプロムが、今後開発するサハリン3を調達先とすることを検討中と発表している。

リトアニアのアンバーグリッド、GIPLパイプラインの着工間近

リトアニアの送ガス事業者アンバーグリッドはこのほど、同国とポーランドの送ガス網を接続するパイプライン「ガス・インターコネクション・ポーランド・リトアニア(GIPL)」の着工準備に取り掛かったと発表した。

リトアニア領を走る165キロメートル区間の工事費(税抜き)は7,980万ユーロで、地場系のパイプライン建設会社であるアルヴォラとシャウレイ・ガスパイプラインが作業を受注した。

ポーランドからリトアニアへ年間27テラワット時(TWh/24億立方メートル)、リトアニアからポーランドへ同21TWh(19億立方メートル)の天然ガス輸送が計画されている。

ロシアとトルコを結ぶ天然ガスパイプラインが開通

黒海を経由してロシアとトルコを結ぶ天然ガスパイプライン「トルコ・ストリーム」の開通式が8日、イスタンブールで行われた。

トルコ・ストリームは輸送能力1億5,000万立方メートルの導管2本から成り、ロシア産天然ガスをトルコ及び南欧・南東欧に供給する目的で敷設された。

従来の輸入ルートであった「トランスバルカン・パイプライン」については、輸送方向を逆にし、トルコから供給を受けたガスをルーマニアやモルドバへ輸送することを狙っている。

エストニア、ラトビア、フィンランドの天然ガス市場が統合

エストニアとラトビア、フィンランドが予定通り、年初から天然ガス市場を統合した。

エストニアの国営エネルギー企業エレリングは「統一市場の創設で国際取引が盛んになり、消費者も競争活性化の恩恵が受けられる」とその利点を強調している。

エレリングによると、エストニアとフィンランドを結ぶ天然ガスパイプライン「バルチックコネクター」もすでに稼働し、ラトビアの地下貯蔵所「インチュカルンス」からフィンランドにガスを供給できるという。

ルーマニアのOMVペトロム、国内同業に油・ガス田を売却

オーストリア石油・ガス大手OMVのルーマニア子会社であるOMVペトロムは8日、保有する40の油ガス田を国内同業のダチアン・ペトロロイムに売却することで合意したと発表した。

OMVペトロムがブカレスト証券取引所に提出した文書によると、ルーマニア南部にある油ガス田を譲渡する。

OMVペトロムは2017年と19年にも計28の油ガス田を地場のエネルギー企業マザリネ・エナジーに売却している。

クロアチア石油大手INAの精製施設、伊社が刷新

クロアチアの石油大手インドゥストリヤ・ナフテ(INA)は昨年末、イタリアの石油プラント建設キネティック・テクノロジーズ(KT)に港湾都市リエカにある国内最大の精製所の刷新工事を33億クーナ(4億4,250万ユーロ)で発注した。

INAは元国営会社で、2003年の民営化の一環でハンガリー石油大手MOLが資本参加した。

石油・天然ガスの開発、生産、精製、石油製品販売を行っている。

ガスプロム電力子会社、発電設備会社REPを買収

ロシア国営ガスプロムの電力子会社ガスプロム・エネルゴホールディング(GEH)はこのほど、国内発電設備製造大手REPホールディングを買収した。

REPと変電所設備子会社ネヴスキー・ザヴォドの株式100 %、および産業施設自動化システム子会社エレクトロプルト・システマの51%を取得する。

長年の提携先でもある同社の買収はガスプロムのエネルギー事業多様化戦略に基づくもので、GEHはこれを機に新事業部門の「エネルギー関連設備」を構築する。

ブルガリア、トルコ・ストリーム経由でロシア産ガスを輸入

ブルガリアがトルコ・ストリーム・パイプラインの正式稼働より一足先に、同パイプラインを経由したロシア産天然ガス輸入を開始した。

天然ガス輸送公社ブルガルトランスガスのマリノフ専務取締役が5日、明らかにしたところによると、トルコ・ストリーム経由で輸入したロシア産ガスを、新しいコンプレッサステーション「ストルナジャ2」を通じて、北マケドニアとギリシャへ輸送しはじめた。

トルコ・ストリームは黒海を経由してロシア産天然ガスをトルコおよび南欧・南東欧に輸送する目的で設置が進められている。

ロスネフチとエクイノール、西シベリアの油ガス田開発で提携

ロシア石油最大手のロスネフチがノルウェーの同業エクイノール(旧スタトイル)と提携し、西シベリアのヤマル・ネネツ自治管区にあるセヴェロ・コムソルスク油ガス田を共同開発する。

2017年に設立した合弁会社セヴコムネフチガス(出資比率:ロスネフチ66.7%、エクイノール33.3%)を通じ、まずはインフラ整備と掘削作業を実施する。

セヴェロ・コムソルスク油ガス田は面積が1,370平方キロメートルに及ぶ。

クロアチア石油大手INA、リエカ製油所に大型投資

クロアチア石油大手のINAは12日、監査役会がリエカ製油所の強化に40億クナ(5億3,800万ユーロ)を投資する計画を承認したと発表した。

投資計画は「INAダウンストリーム2023」計画の一部で、リエカ製油所の効率化・技術強化を目的とする。

ダウンストリーム2023計画では、INAの製油事業をリエカに集約し、シサク製油所を工業生産拠点に転換することも予定されている。

独が米の「内政干渉」を批判、ガスパイプライン関与企業への制裁法案で

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに輸送する計画「ノルドストリーム2」の関与企業などに制裁を科す法案を米下院が11日、可決した。

ノルドストリーム2はバルト海を通ってロシアとドイツ北部を結ぶ全長1,200キロメートルのパイプラインで、2011年に開通した「ノルドストリーム1」に並行する形で設置される。

欧州連合(EU)欧州委員会のフィル・ホーガン委員(通商担当)は同法案が米下院で可決されたことを受けて、欧州企業に対する制裁には原則として反対だとしながらも、ノルドストリーム2に対しては透明で差別のない運営を期待したいと発言。

国営ロスアトム、運輸・ロジスティクスのデロに出資

ロシア原子力公社(ロスアトム)は9日、子会社アトムエネルゴプロムを通じて同国の運輸・ロジスティクス企業デロ(Delo)の株式30%を取得したと発表した。

デロは今年11月、ロシアの鉄道貨物輸送会社トランスコンテナの株式50%以上を取得する権利を落札した。

一方、ロスアトムが6月に北極海航路の開発・発展を目的に開催した「北極海航路評議会」には、ロスアトムフロート、民間ガス大手ノバテク、商船三井(MOL)などが参加している。

エストニアとフィンランド間のガスパイプライン開通

エストニアとフィンランドを結ぶガスパイプライン「バルチックコネクター」が11日完成し、開通式が開催された。

同パイプラインはエストニアの国営電力・ガス会社エレリング(Elering)とフィンランドの国営バルチックコネクターOyが建設を進めてきたもので、来年初頭からの稼働が予定されている。

同パイプラインはリトアニアとポーランド間のガスパイプライン連系プロジェクト(GIPL)と併せ、バルト諸国の欧州統一エネルギー市場への統合を促進するものと位置づけられている。

ロシアとパキスタン、経済協力拡大へ

ロシア政府は先ごろ、パキスタン政府との間でエネルギー分野などに関する大規模な投資を行うことで合意したことを明らかにした。

輸入天然ガスを運ぶパイプラインを南部のカラチと北東部のラホールの間に敷設するもので、ロシアは今年初めに同プロジェクト向けの25億ドルを含む140億ドルをパキスタンのエネルギー産業に投資することを約束していた。

両国は今後、貿易総額を7億ドルまで増やすことを計画している。

ポーランドのPPプラント建設、石油大手ロトスが5億ズロチ投資

総額5億ズロチ(1億1,700万ユーロ)のうち、3億ズロチでプロジェクト運営企業グルパ・アゾティ・ポリオレフィンスの新規発行株を購入し、残り2億ズロチで劣後債を取得する。

グルパ・アゾティとプロジェクトを実施する子会社ポリツェはすでに今年9月、韓国・現代エンジニアリング及び韓国海外インフラ都市開発公社(KIND)からも、総額5億ズロチを調達した。

グルパ・アゾティはプロジェクトに14億ズロチ(3億2,700万ユーロ)を投資する計画で、プロジェクトへの投資総額は15億2,000万ユーロに上る予定だ。

AIIB,中国電力国際のカザフ風力発電パーク建設計画に融資

カザフスタン南部のジャナタスで建設されている中央アジア最大級の風力発電パークが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)から4,670万ドルの融資を獲得した。

AIIBがカザフスタンのプロジェクトに融資するのはこれが初めて。

これは約100万世帯の需要に相当し、カザフスタン南部での電力不足の緩和につながると期待されている。

コソボとアルバニア、電力市場統合で合意

コソボとアルバニア両国の送電会社は2日、両国電力市場の統合で合意した。

これによりコソボの電力系統はセルビア送電会社EMSの管理から離脱することになるため、コソボの独立を承認していないセルビア政府は強く反発している。

コソボの送電インフラについてセルビアは「セルビアが建設したもの」として自らの所有権を主張している。

ロシア、放射性廃棄物処理ロボットを開発

放射性廃棄物管理公社(RosRAO)での採用に向けて開発しているもので、実験施設から出た廃棄物の処理場における分別から焼却までの作業をさせるのが目的だ。

全国の放射性廃棄物管理を管轄するNORAOによると、放射性廃棄物の保管量が多いのは、クラスノヤルスク、ザバイカリエ、スタヴロポリの各地方、トムスク、チェリャビンスク、ウリヤノフスクの各州およびウドムルト共和国で、100万立方メートルを超える。

モスクワ、キーロフ、レニングラード、アルハンゲリスクの各州にも10万~50万立方メートル保管されている。

ポーランド石油大手オルレン、電力大手にTOB

来年1月31日から4月9日まで、1株当たり7ズロチで買収する内容で、66%以上の取得を取引成立条件としている。

全株を取得した場合の取引額は28億ズロチ(6億5,400万ユーロ)に上る。

オルレンはエネルガ取得について、「マルチ・エネルギー企業」への転換を図るグループ戦略を推進するためと説明している。

仏特殊化学SNFのロシア工場、20年中に稼働

仏特殊化学メーカーSNFがロシアのサラトフ市で建設しているポリマー工場が来年末までに稼働する見通しだ。

アクリルアミドとポリアクリルアミドをまずは年6万トン生産する。

同製油所では原料のアクリロニトリルを生産している。

丸紅の投資子会社、ラトビアのガスインフラ企業に出資

丸紅は5日、子会社のMMキャピタル・パートナーズが運営する投資ファンド「MMキャピタルインフラストラクチャー・ファンド1号」(MMファンド)を通じ、ラトビアのガス会社コネクサス・バルチック・グリッド(CBG)の株式29.6%をルクセンブルクの投資ファンド、マルグリートから取得したと発表した。

現在CBGはラトビア全土でガス輸送を独占して行い、欧州で3番目に大きいガス貯蔵施設であるインチュカルンス・天然ガス地下貯蔵施設を保有している。

MMファンドはOECD(経済協力開発機構)加盟国におけるガス・交通インフラ分野の資産と事業を投資対象としており、CBGへの投資はこの方針に沿ったものとなる。

アナトリア横断パイプラインが全線開通

アゼルバイジャン産の天然ガスをジョージアとトルコ経由で欧州に運ぶアナトリア横断パイプライン(TANAP)が11月30日、全線開通した。

TANAPはジョージアとの国境に近いトルコのアルダハン県東部からギリシャとブルガリア国境までの1,850キロメートルを結ぶもので、アゼルバイジャンとジョージアを結ぶ南コーカサスパイプライン(SCP)、ギリシャからアルバニアと北マケドニアを経由してイタリアに至るアドリア海横断パイプライン(TAP)と接続し「南ガス回廊」を構成している。

同パイプラインは昨年6月にトルコのアンカラ西方のエスキシェヒルまで部分開通していた。

ポーランドでスマートグリッド実証実験がスタート、日立などが実施

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、ポーランドにおけるスマートグリッドの実証実験を10月初めから実施していると発表した。

送電線の柔軟な運用により、電力インフラへの投資を抑制しながら再生可能エネルギーの導入を拡大する狙い。

風力発電の導入を推進しているが、電力インフラ設備の老朽化が問題となっている。

ロシア・中国天然ガスパイプライン「」シベリアの力が開通

東シベリアの天然ガスを中国へ運ぶパイプライン「シベリアの力」が2日稼働した。

ロシア産のガスを直接中国へ輸送できるようになり、ロシアの対中国輸出が拡大する見込みだ。

運営元の国営ガスプロムは徐々に新パイプラインの輸送量を増やし、2025年に年間380億立方メートルのフル稼働へ移行する方針。

ガスパイプライン「シベリアの力2」、カザフが参加検討

カザフスタンのドスムハムベトフ第1次官は11月26日、中国とロシアが進めている天然ガスパイプライン建設計画「シベリアの力2」への参加を同国が検討していることを明らかにした。

同次官は西シベリアの天然ガスを中国に輸送する同パイプラインがカザフスタンを通過することを念頭に、同国東部で生産される天然ガスを極東に輸出することができるとの考えを示した。

「シベリアの力2」に先立ち建設が進められてきた天然ガスパイプライン「シベリアの力」は、東シベリアのイルクーツク州にあるコビクタ・ガス田やサハ共和国のチャヤンダ・ガス田で生産される天然ガスを、中国との国境沿いにあるブラゴベシチェンスクを経由して同国に輸出するもので、今年12月からの稼働開始が予定されている。

ブルガリア原発、米ウェスチングハウスが機能安全制御システムを刷新

ブルガリアのコズロドゥイ原子力発電所は20日、安全確保のための監視制御システムのアップグレードを米ウェスチングハウスに委託したことを明らかにした。

計画によると、コズロドゥイ原発の第5、6号機の現「オベーション」システムを、プラントの安全ライフサイクルに対する国際規格でより厳格な「SIL3」に準拠した「Ovation Safety and Instrumented System」に移行させる。

これにより新機能を統合し、2042年までのシステム稼働を確実にする。

エストニアTSO、大陸欧州電力系統への統合に1.1億ユーロ投資

エストニアの電力網運営事業者(TSO)エレリングは12日、バルト諸国と大陸欧州の電力系統を統合するプロジェクトの第2期投資として1億1,100万ユーロを投じると発表した。

CEF助成金を申請するには、4カ国の当局がこれに同意するとともに、越境区間の工事費用の負担方法で合意する必要がある。

電力システム連系計画の第1期投資についてはすでに、CEFから投資額の75%の助成金が支給されることが決まっている。

クロアチアINA、ボスニア・ヘルツェゴビナの石油小売業者に食指

一方、スルプスカ共和国のバニャ・ルカを本拠とするNESもクライナペトロル買収を狙っている。

クライナペトロルはスルプスカ共和国でガソリンスタンド16店舗と貯蔵施設を運営する。

INAは本国クロアチアのほか、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、スロベニアでガソリンスタンドをおよそ500店舗展開する。

アドリア海の海底電力ケーブルが稼働

イタリアの送電会社テルナが15日、モンテネグロとイタリアを結ぶ海底電力ケーブル「モンテネグロ・イタリア・インターコネクター」の運用を開始した。

欧州とバルカン半島を結ぶ初の送電線で、これにより、イタリアとモンテネグロ、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルーマニアの送電網が統合される。

モンテネグロもバルカン半島における送電ハブの役割が担えると期待する。

米社、露ガス化学コンプレクスに技術供与

同社は年間280万トンを生産しポリエチレンの原料として利用する予定。

新工場では6つのポリエチレン製造施設を使い、年間計300万トンを生産する予定。

ルスガスダビチャはまた、国営ガスプロムとの合弁企業ルスヒムアリヤンスを通して、ウスチ・ルーガに年間450億立法メートルの生産能力を持つバルティック液化天然ガス(LNG)コンプレクスを建設することを計画している。

モンテネグロ企業、中国企業と提携して新方式の発電所を建設

モンテネグロのワールド・ビジョン・カンパニー(WVC)が中国虹橋国際投資(CRIIC)と提携し、運動エネルギーを利用したキネティック発電所(KPP)を建設するもようだ。現地メディアがWVCの創業者であるジュレティッチ氏への取材をもとに報じたところによると、近く独・スイス系のエンジニアリング企業セーブ・ザ・プラネットからモンテネグロ及びセルビアにおける技術ライセンスを取得する。
ジュレティッチ氏によると、投資回収期間のキロワット毎の発電コストは0.03ユーロに過ぎず、5年で投資が回収できるという。WVCはまた、モンテネグロ政府に対し、キネティック発電所に再生可能エネルギー法を適用するよう求めていく方針だ。
セーブ・ザ・プラネットは独ロッシュ・イノベーションズのスイス子会社。先ごろ、セルビアの首都ベオグラードにあるロッシュの研究開発(R&D)センターでキネティック発電機を稼働した。同発電機の出力は11.8キロワットで、稼働に必要な電力(消費電力)の1.6キロワットの7倍を超える。
KPPは浮力を利用してタービンを回し、発電する技術だ。

ロスアトム、イラン原発拡張に着手

イランとロシアは10日、イラン唯一の原子力発電所であるブーシェフル発電所の拡張工事を開始した。

このためイランと米国や英国との関係がさらに緊張すると懸念される。

イラン核合意は、イランが核エネルギーを軍事目的に利用するのを妨げるため、米国、ロシア、フランス、ドイツ、中国、英国が2015年7月にイランと結んだものだ。

ハンガリーMOL、ドイツ再プラメーカーの買収を完了

ハンガリー石油最大手MOLが独再生プラスチックメーカー、オーロラ(Aurora)・クンストシュトッフェの買収手続きを完了した。

ホルヴァート副社長は「オーロラの買収は、環境的観点からの持続可能性が弊社事業で重要性を増している事実の表れだ。また、自動車部品向け素材メーカーとしての地位を強化するに当たり、コンパウンド事業がカギを握ると認識している」とコメントした。

工場から出るプラスチック廃材を原料別に破砕し、粉砕材、粒材、コンパウンド材として自動車・家具・電機・建設・機械業界企業に出荷している。

ガスプロムネフチ、触媒工場を着工

露ガスプロムの石油子会社ガスプロムネフチが、西シベリアのオムスク製油所で触媒工場の建設に着手した。

新工場では、「セレクトゥム(Selectum)」ブランドの触媒を年2万1,000トン生産する。

今回の投資に関連してガスプロムネフチは今年2月、政府と特別投資契約(SpIK)を結んでいる。

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