2014/1/13

産業・貿易

「単一ユーロ決済地域」導入を半年延期、対応の遅れを受け

この記事の要約

欧州委員会は9日、ユーロ圏内での小口決済を国内決済と同様に行うことができるようにする「単一ユーロ決済地域(SEPA)」制度の完全導入期限を当初予定の2月1日から6カ月延期すると発表した。一部加盟国で移行が遅れていることを […]

欧州委員会は9日、ユーロ圏内での小口決済を国内決済と同様に行うことができるようにする「単一ユーロ決済地域(SEPA)」制度の完全導入期限を当初予定の2月1日から6カ月延期すると発表した。一部加盟国で移行が遅れていることを受けた措置。

SEPAはEU加盟28カ国にアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、モナコを加えた33カ国における小口決済のインフラを統合し、ユーロ建ての口座振込、口座引落し、カード決済について、国内外の区別なく、すべて同じ条件で決済できるようにするためのスキーム。域内の国際決済の簡素化や低料金化を目指すものだが、一部の加盟国ではITシステムの更新にトラブルが発生するなど対応に遅れが出ており、予定通り来月からSEPAに完全移行した場合、ビジネスに支障が出る恐れがあるとの声が産業界を中心にあがっていた。

欧州委のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は、移行期限の延長について、遺憾ではあるが混乱を避け信用秩序を維持するために実施すると説明。加盟各国にSEPA移行への努力を強化するよう改めて求めるとともに、移行期限を8月1日以降に再び延長することはないと強調した。

欧州委によると、昨年11月時点でSEPAスキームを通じた口座振込は全体の64.1%、自動引落しは26%にとどまっている。