2014/1/13

競争法

オムニコムとピュブリシスの合併、欧州委が無条件で承認世界最大の広告会社誕生へ前進

この記事の要約

欧州委員会は9日、広告大手の米オムニコム・グループと仏ピュブリシス・グループが合併する計画を承認したと発表した。世界の広告業界でオムニコムは2位、ピュブリシスは3位で、合併で誕生する新会社は最大手となるが、欧州委は競争上 […]

欧州委員会は9日、広告大手の米オムニコム・グループと仏ピュブリシス・グループが合併する計画を承認したと発表した。世界の広告業界でオムニコムは2位、ピュブリシスは3位で、合併で誕生する新会社は最大手となるが、欧州委は競争上の問題はないとして無条件で認可した。

両社は2013年7月に対等合併で合意。新会社「ピュブリシス・オムニコム・グループ」は約230億ドルに達し、英WPPを抜いて世界最大の広告会社となる。

同計画をめぐっては、合併規模の大きさから、EUが厳しく審査し、一部事業の売却など何らかの条件を付ける可能性が指摘されていた。しかし、欧州委は審査の結果、広告会社が広告主の代理としてメディアでの広告スペースなどを購入する「媒体購入」業務を含む広告市場は、WPP、電通イージス、ハバスなど多くの大手企業が存在し、顧客による契約会社の切り替えが容易といった特性があることから、ピュブリシスとオムニコムが合併しても寡占が生じる恐れはないと判断。無条件で計画を承認した。

両社の合併は米国、カナダ、インド、韓国などの競争当局が承認済み。EUの決定によって、主要国・地域で認可が下りていないのは中国だけとなり、合併実現へ大きく前進した。