2014/3/24

欧州ビジネスウオッチ

独RWE、採掘子会社をロシア資本に売却

この記事の要約

独エネルギー大手のRWEは16日、石油・天然ガス採掘子会社RWE DEAをルクセンブルクの投資会社レター・ワン・グループに売却することで合意したと発表した。レター・ワンはロシアの新興事業家であるミハイル・フリードマン氏傘 […]

独エネルギー大手のRWEは16日、石油・天然ガス採掘子会社RWE DEAをルクセンブルクの投資会社レター・ワン・グループに売却することで合意したと発表した。レター・ワンはロシアの新興事業家であるミハイル・フリードマン氏傘下の投資会社。同日はクリミアでロシア併合の是非を問う住民投票が行われた日で、タイミングの悪い発表となった。

RWE DEAはドイツの北海海域や英国、デンマーク、ノルウェー、エジプトなど世界14カ国で採掘を行っている。売上高は18億ユーロと資源採掘会社としては小さいものの、収益力は高く、使用資本利益率(ROCE)は15.7%に上る。

RWEは債務の圧縮に向けて同子会社を売却する意向を昨年3月に表明していた。巨額の売却益が見込めるほか、同子会社がエジプトで巨額投資を行うことを計画しているためだ。投資はリスクを伴い回収にも時間がかかるという事情がある。

レター・ワンはRWE DEAを約6億ユーロの債務引き受けを含めて約51億ユーロで買収する。RWEが実施した競売入札には独同業ウィンターシャルも参加したものの、消息筋によると、提示額が40億ユーロに満たず、レター・ワンが落札した。

RWEは307億ユーロもの純債務を抱えているほか、2013年には戦後初の最終赤字を計上した。4月16日に株主総会を控えていることから、RWE DEAの売却交渉をそれまでにまとめたかったもようだ。

フリードマン氏はロシアの新興財閥アルファグループを率いる富豪。同グループは銀行、石油・ガス、保険、小売、電気通信など幅広い分野で事業を展開している。