欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/15

総合 – 欧州経済ニュース

仏の財政赤字是正、2年遅れの17年に=サパン財務相

この記事の要約

フランスのサパン財務相は10日、同国の財政赤字是正が2年遅れの2017年になるとの見通しを示した。景気悪化を受けたもので、EUに約束している15年までの規律順守は不可能となり、16年まで規律違反が続くとしている。 EUの […]

フランスのサパン財務相は10日、同国の財政赤字是正が2年遅れの2017年になるとの見通しを示した。景気悪化を受けたもので、EUに約束している15年までの規律順守は不可能となり、16年まで規律違反が続くとしている。

EUの財政規律では、加盟国に単年の財政赤字をGDP比3%以内に抑えることを義務付けている。2007年から違反が続くフランスは、当初は13年までの赤字是正を求められていたが、2年先送りを認められた経緯がある。

仏政府は赤字を是正期限である15年に上限ぎりぎりのGDP比3%まで削減する計画だった。しかし、今年1~3月期から2期連続でゼロ成長となったことから、サパン財務相は同日、今年と来年の予想成長率をそれぞれ0.4%、1%とし、従来の1%、1.7%から大幅に下方修正したと発表。これに伴って財政赤字の削減は遅れ、14年は昨年を上回るGDP比4.4%に悪化し、15年も4.3%と上限を超え、是正は17年までずれ込むとの見通しを表明した。

EUでは赤字是正を怠った国に対して、景気の急激な悪化など不測の事態が生じた場合を除いて、厳しい制裁を発動する決まりとなっている。フランスは例外的状況にあるとして、是正期限の延長を欧州委員会に求める方針だが、欧州委が再度の延長に難色を示すのは必至で、厳しい交渉となりそうだ。