欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/15

EU産業・貿易

グーグルにさらなる譲歩要求、検索結果の表示問題で=欧州委

この記事の要約

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委は同社に追加の改善策を要求する。欧州委競争政策部門のコロンバーニ報道官は8日、「解決 […]

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委は同社に追加の改善策を要求する。欧州委競争政策部門のコロンバーニ報道官は8日、「解決策を提示する用意があるのか確かめるためグーグルと接触している」と述べた。欧州委は2月、グーグルが提示した改善策を受け入れて同社に対する調査を打ち切る方針を打ち出していたが、競合企業からの強い反対を受け、和解案を見直す姿勢に転じた。

欧州委はグーグルが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスをライバル社よりも優先的に表示していると主張する競合他社からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。12年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。グーグルは巨額の制裁金を回避するため、昨年末までに3回にわたり欧州委に改善策を提示。新たに検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの是正策を打ち出し、欧州委は最終的にこれを受け入れてグーグルと和解する方針を固めた。

しかし、域内に拠点を置くインターネット関連企業などの間では、グーグルが検索市場における圧倒的なシェアを背景に競合他社を差別しているとの懸念が根強く、欧州委に対しグーグルとの和解に応じないよう求める声が高まっていた。アルムニア委員(競争政策担当)は6日、ブルームバーグとのインタビューで、和解案に対しては競合他社から「極めて否定的な反応」があったことを明らかにしたうえで、「我々は苦情内容の把握に努めており、このような根拠のある苦情に対しグーグルから是正策を引き出そうとしている。(中略)苦情の中には新たな主張やデータ、検討事項を盛り込んだものもあった。これらを分析し、我々とグーグルが解決策を見いだせるかどうか見極める必要がある」と述べた。アルムニア委員は10月末に退任するため、この事案は11月に就任する後任に委ねられることになる。

グーグルの広報担当は欧州委の決定を受け、「引き続き欧州委とともに問題解決に取り組む」と述べた。