ロシア進出を目指す米小売最大手ウォルマートは、現地企業買収と自前でのチェーン網構築の両面で、進出への足がかりを模索している。7日付けの『モスクワ・タイムズ』紙が伝えた。
\ウォルマートは2008年秋、ロシア進出の第1歩としてモスクワに駐在員事務所を開設。これまでにレンタ(Lenta)、カペイカ(Kopeika)、カルーセル(Karusel)、モスマート(Mosmart)などの現地小売チェーンが買収先候補として浮上したが、いずれも具体化していない。マクミラン国際部門社長兼最高経営責任者(CEO)は3日、「買収を実現させるためには、売り手と買い手の間で条件が一致することが必要だが、まだそうした状況にはない」と指摘。「ロシアで(買収の)障害となっているのは価格だ」として、価格面で折り合いが付かず買収が難航していることを明らかにするとともに、ロシア進出の具体的な時期については言及を避けた。また、スレイプ国際事業開発上級副社長は、ウォルマートのロシア進出に関し、買収あるいは自前の進出かについて「決定を下すのはまだ早い」とコメントしている。
\ウォルマートは海外14カ国に4,110店舗を展開しており、海外での売上高は1,000億米ドル超と、グループ全体の売上の25%を占める。
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