2010/6/16

ハンガリー

ハンガリー首相、大幅な税制改正を発表

この記事の要約

ハンガリーのオルバン首相は8日、大幅な税制改正を盛り込んだ「行動計画」を発表した。金融機関に新税を課し、歳出を抑制する一方、個人や中小企業向けの減税を実施する。ただ、一連の政策で前政権が国際通貨基金(IMF)などと約束し […]

ハンガリーのオルバン首相は8日、大幅な税制改正を盛り込んだ「行動計画」を発表した。金融機関に新税を課し、歳出を抑制する一方、個人や中小企業向けの減税を実施する。ただ、一連の政策で前政権が国際通貨基金(IMF)などと約束した財政赤字水準を遵守できるかについては明らかにしなかった。

\

行動計画では、銀行や保険、リースなど金融業界への新税により、今年だけで2,000億フォリントを調達。さらに国営企業を含む公務員給与の月収上限を200万フォリントに定めたのをはじめ、各省庁の予算にも上限を設定、1,200億フォリントの歳出削減を図る。

\

これを原資として、個人所得税を一律16%とするフラット税制を導入。中小企業向けには、10%の法人税優遇税率が適用される基準を年商5,000万フォリントから同5億フォリントに拡大する。ハンガリーの通常の法人税率は19%。政府は法人税減税を今年9月から、個人所得税へのフラット税制導入は来年から実施したいとしている。

\

政府はまた、抵当権付住宅ローン(モーゲージ)での外貨建て融資を来年から禁止する方針も示した。ただ、政府が見込む金融業界からの税収額は、中銀が予測する今年の国内銀行業税引き前利益の約6割にも達しており、業界からの反発は必至。モーゲージにおける外貨建て融資禁止についても「ハンガリーのモーゲージローン残高の63%が外貨建てだが、ここ1年でまったく伸びていない」(KBC証券アナリストMacRae氏)と、政策の効果を疑問視する声が上がっている。(1HUF=0.40JPY)

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |