2010/6/30

ポーランド

EU、ガス貯蔵施設へのポーランド補助金を承認

この記事の要約

欧州委員会は23日、ポーランド政府が国営の石油・ガス会社PGNiGに対して、ガス地下貯蔵施設の拡張と建設のため15億3,900万ズロチ(3億9,000万ユーロ)の補助金を支給する計画を承認した。ガスの貯蔵は安定供給を強化 […]

欧州委員会は23日、ポーランド政府が国営の石油・ガス会社PGNiGに対して、ガス地下貯蔵施設の拡張と建設のため15億3,900万ズロチ(3億9,000万ユーロ)の補助金を支給する計画を承認した。ガスの貯蔵は安定供給を強化し供給停止や消費量の季節的変動に対応するうえ、全てのガス会社が利用できる点で公的支援のルールに抵触しないと判断した。

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計画では、PGNiG は3カ所の地下貯蔵施設を拡張するとともに黒海沿岸に新たな地下貯蔵施設1カ所を建設する。2015年に完成の予定で、ポーランドのガス貯蔵容量は現在の16 億立方メートルから26 億立方メートルに拡大する。これにより同国の貯蔵容量は、EU 平均である国内の年間需要の14%近くに達する。

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欧州ではガスのロシアへの依存度が高いが、欧州に供給するガスパイプラインはウクライナやベラルーシを経由するため、経由国とロシアとの対立によってこれまでも供給が停止される事態が相次いでいる。昨年にはウクライナ経由のガス供給が停止されたが、今月に入ってロシアはベラルーシへの供給量を削減しており欧州への供給も滞る懸念が出ている。

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欧州委はポーランドの計画について、同国や域内への安定供給の強化という大きな貢献に注目して競争面の審査を実施した。その結果、補助金の金額は必要な資金やプロジェクトに対する投資の魅力が低いことに対応したものであることが判明。またポーランドの貯蔵容量を全体的に拡大し、これによりPGNiGだけでなく全てのガス会社が義務付けられている備蓄を達成できることが分かり、競争上の問題はないと結論付けた。

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