2010/7/21

総合・マクロ

独RWE、サウス・ストリームへの参加に関心

この記事の要約

独エネルギー大手RWEは12日、露国営ガス会社ガスプロムからガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設計画への参加を打診されたことを明らかにした。サウス・ストリームと競合するパイプライン「ナブッコ」の建設計画に参加して […]

独エネルギー大手RWEは12日、露国営ガス会社ガスプロムからガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設計画への参加を打診されたことを明らかにした。サウス・ストリームと競合するパイプライン「ナブッコ」の建設計画に参加しているRWEは、ナブッコを最優先する方針を強調したものの、今回の提案を検討するとし、サウス・ストリームへの参加にも関心を示した。

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ナブッコはカスピ海沿岸諸国の天然ガスをトルコ経由で欧州に輸送するパイプライン。ロシア産ガスへの依存率を引き下げたい欧州連合(EU)が支援している。ロシア政府はこれに対抗し、ナブッコとほぼルートが重なるサウス・ストリームを推進しており、今回のRWEへの提案でナブッコ計画に揺さぶりをかける狙いがある。RWEはナブッコに参加する欧州電力6社の中で最大手であり、同社がサウス・ストリームへの参加を決めれば、ナブッコの実現は困難になる。

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サウス・ストリームは、ロシア産ガスを黒海経由でオーストリア、イタリアに輸送する計画。ガス料金やトランジット料をめぐりロシアとの対立が絶えないウクライナ、ベラルーシを迂回し、EUにガスを直接輸送できるメリットがある。

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同計画を進めるのはガスプロムと伊電力大手エニ。仏EDFも昨年末、参加を決めた。さらに、ナブッコの幹事社であるオーストリア電力大手OMVもガスプロムに懐柔され、参加を決めている。

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サウス・ストリームの輸送能力はナブッコのほぼ2倍だが、投資規模は約250億ユーロと、ナブッコの3倍に上る。一方、ナブッコには天然ガスの輸入元が決まっていないという弱点がある。RWEは輸入国候補のアゼルバイジャンやトルクメニスタン、イラクと交渉を続けているが、合意には至っていない。

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