2010/7/21

CIS諸国

カザフスタン、石油輸出税を復活へ

この記事の要約

カザフスタン政府は13日、石油輸出税を再導入することを閣議決定した。1トン当たりの税率は原油が20米ドル、軽質油が99.71ドル、重質油が64.47ドル。2008年5月に導入された石油輸出税は、金融危機に伴う原油価格の急 […]

カザフスタン政府は13日、石油輸出税を再導入することを閣議決定した。1トン当たりの税率は原油が20米ドル、軽質油が99.71ドル、重質油が64.47ドル。2008年5月に導入された石油輸出税は、金融危機に伴う原油価格の急落で石油会社の業績が悪化したことを受けて09年1月に撤廃されたが、世界的な景気回復で石油相場が安定してきた現状を踏まえ、復活が決まった。

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政府はこれまで、米シェブロンが主導するテンギスシェブルオイル(TCO)など生産物分与協定(PSA)の枠内で操業する外資系企業を原則として石油輸出税の課税対象から除外してきたが、ジャミシェフ財務相は、TCOを今回から課税対象に含めると述べた。ただ、PSAに税安定化条項が含まれている15のプロジェクトについては、引き続き課税対象外とする。

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一方、伊ENI、英BGグループが参加するカラチャガナク・ペトロリアム・オペレーティング(KPO)は、PSAであるにもかかわらず08~09年に石油輸出税の課税対象となったのは不当であるとして、これまでに支払った税金10億米ドルの返金と課税対象からの除外を求めている。ジャミセフ財務相は、「KPOとのPSAに税安定化条項は存在せず、彼らは税を支払う義務がある」と述べ、返金に応じない考えを示した。

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TCOとKPOは昨年のカザフの原油生産量7,640万トンのうち45%を生産した。政府は、原油輸出税の復活によって今年は600億テンゲ、11年に1,170億テンゲの税収増加を見込んでいる。

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カザフスタンが石油輸出税の復活に動いたことについて、ロシアの大手投資銀行ウラルシブ・インベストメントの主席ストラテジスト、ウィーファー氏は、「PSAを一方的に見直し、外資系企業に圧力をかけているロシアの後追いをしている」と指摘、カザフもロシアのように資源ナショナリズムを強めていく可能性があるとしている。(1KZT=0.59JPY)

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