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2011/9/28

ロシア

IMF、ロシアの成長予想を下方修正

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は20日、最新の世界経済見通しを発表した。これによると、ロシア経済の実質成長率予想は2011年が4.3%、12年が4.1%で、前回予想の4.8%、4.5%からそれぞれ下方修正された。原油価格の下落と […]

国際通貨基金(IMF)は20日、最新の世界経済見通しを発表した。これによると、ロシア経済の実質成長率予想は2011年が4.3%、12年が4.1%で、前回予想の4.8%、4.5%からそれぞれ下方修正された。原油価格の下落と、資本の流出が成長を下押しすると説明している。

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IMFは、「世界金融危機がぼっ発するまでロシアの信用市場や民間需要、経済成長を支えてきた大規模な資本流入は、まだ回復していない」と指摘。「投資家は、来年の大統領選挙を控えて政治的な不確実性が増していることや、魅力のないビジネス環境に慎重になっている」と警鐘を鳴らした。ロシアのクレパッチ経済貿易発展省次官は先月、今年のロシアの純資本流出額が300億~400億米ドルとなるとの見通しを示した。

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IMFはまた、ロシアの銀行システムが、不良債権比率の高さや引当金不足などにより依然として脆弱であると指摘。中央銀行の権限を強化し、効率的な監督体制を整えるべきだと提言した。このほか、ロシア経済の動向が独立国家共同体(CIS)諸国の経済に与える影響の大きさに言及。CIS諸国は、伝統的に経済的結びつきの強いロシアへの出稼ぎ労働者からの送金に依存する経済構造となっており、ロシア経済の低迷は、これらの国に深刻なダメージを与えると述べている。

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