2011/11/2

ロシア

ガスプロム、ドイツ・日本事業を活発化

この記事の要約

天然ガス世界最大手のガスプロムが独BASF子会社ヴィンタースハルとの提携を強化する。両社は10月28日、北海油田とシベリアガス田の資産交換で契約に調印した。今年3月の基本合意に基づくもので、ウレンゴイ・アチモスガス田の共 […]

天然ガス世界最大手のガスプロムが独BASF子会社ヴィンタースハルとの提携を強化する。両社は10月28日、北海油田とシベリアガス田の資産交換で契約に調印した。今年3月の基本合意に基づくもので、ウレンゴイ・アチモスガス田の共同開発を進める。

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プレス発表によると、ガスプロムはヴィンタースハルが持つ北海南部の油田・ガス田(オランダおよび英国領海)の権益50%を取得する。その代償として、ウレンゴイ・アチモスガス田第4・第5ブロックの権益25%プラス1株をヴィンタースハルに譲渡する。ヴィンタースハルは将来的に出資比率を50%に引き上げるオプション権を取得した。

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ヴィンタースハルはオランダ領海で25基、英国領海で1基の採掘基地を操業しているが、ガスプロムが具体的にどのプロジェクトに参加するのかは未公表だ。

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ウレンゴイ・アチモスガス田の今後10年の開発費は「数十億ユーロ」(ヴィンタースハル)に上る見通しだが、詳細は明らかになっていない。

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両社はすでにシベリアのユジノ・ルスコエガス田でガスを共同生産するほか、ウレンゴイ・アチモフガス田の1A鉱区の開発でも提携している。ロシアとドイツを結ぶバルト海パイプライン「ノルド・ストリーム」による欧州へのガス輸送、欧州における天然ガス販売でも協力関係にある。

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■日本の電力プロジェクトで東電らと協議

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ガスプロムは10月27日、日本における電力プロジェクトへの参加と燃料供給に関し、東京電力、三菱商事、三井物産と協議したことを明らかにした。その詳細については、ガスプロムが権益50%を有する開発事業「サハリン2」からのガス供給の可能性について話し合ったというほかは、全く明らかにされていない。

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三菱商事と三井物産は以前からシベリア北部ヤマル半島の天然ガス液化プロジェクトへ関心を示してきた。今回の協議は、これも含めた日本とロシアのエネルギー協力の可能性を探る動きとみられる。

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ガスプロムは、欧州連合におけるパイプラインなどの資産保有が制限されたことを受けて、アジア市場に目を向けている。三菱と三井の両社は「サハリン2」産のガスを日本で販売している。

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