2011/11/16

ロシア

7-9月期のロシア経済成長率、4.8%に

この記事の要約

ロシア国家統計局(ロススタット)が14日発表した2011年7-9月のロシア国内総生産(GDP)は前年同期比で4.8%増加し、2010年4-6月期以来で最大の伸びを示した。ただ、経済省の速報値(5.1%)とブルームバーグ通 […]

ロシア国家統計局(ロススタット)が14日発表した2011年7-9月のロシア国内総生産(GDP)は前年同期比で4.8%増加し、2010年4-6月期以来で最大の伸びを示した。ただ、経済省の速報値(5.1%)とブルームバーグ通信のアナリスト中央値(5%)は下回った。2011年4-6月期のGDP成長率は3.4%だった。

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設備投資の増加と、消費者金融に支えられた内需拡大が大きく貢献した。また、干ばつの影響で前年同期の実績が小さかったことも伸び率を引き上げた。

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9月の設備投資は前年同月比で8.5%の力強い伸びを示した。失業率は過去3年で最低の6%まで下がり、前年同月から0.6ポイント、2009年9月から1.6ポイント改善した。小売売上高は9.2%増と、8月の伸び率(7.8%)をさらに上回った。これは2008年10月以来で最大の上昇幅だ。

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BNPパリバのツェプリャエバ主任エコノミストによると、農業部門もGDPを大きく押し上げた。10月25日までの穀物収穫量は9,500万トンに上り、干ばつで不作となった昨年から50%増加した。

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一方で、9月の工業生産高は3.9%増と、2009年10月に増加に転じて以来で最も小幅の伸びにとどまった。ロシアの最大の取引先である欧州の経済が通貨危機で減速し、工業製品の需要が伸び悩んでいることが理由だ。

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投資会社のルネサンスキャピタルによると、ロシア経済は年末までに危機前の水準に回復する見通しだ。1998年の財政危機に比べると、回復までに2倍の時間がかかったことになる。

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ロシアの経済成長率はプーチン首相が大統領を務めた2000~08年に年平均7%に上った。金融危機の打撃を受けた09年は7.8%のマイナスとなった。政府は今年については4.1%、来年は3.7%を予測している。プーチン首相は長期的に再び6~7%に引き上げる目標だ。

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