2013/5/22

ポーランド

官僚主義縮小でシェールガス開発促進、来月にも関連法案を閣議決定

この記事の要約

ポーランド政府は来月末までにシェールガス開発の投資促進に向けた関連法案を閣議決定する見通しだ。官僚主義のハードルを低くすることで、開発に必要な外資導入を進める考え。コロレツ環境相が13日、記者会見で明らかにした。\ ポー […]

ポーランド政府は来月末までにシェールガス開発の投資促進に向けた関連法案を閣議決定する見通しだ。官僚主義のハードルを低くすることで、開発に必要な外資導入を進める考え。コロレツ環境相が13日、記者会見で明らかにした。

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ポーランドは国の重要政策としてシェールガス開発を後押ししている。しかし、政府が昨年10月、◇非在来型エネルギーを含めて石油・ガス生産からの粗利益に最大40%を課税◇国営企業の合弁生産会社への資本参加を義務付け――といった方針を発表したことから、事業者が慎重になり、探索作業を遅らせている。今年掘られる予定だった39本の抗井のうち5月までに着手されたのはわずか2本にとどまる。

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また、昨年のエクソン・モービルに続いて、今月には米マラソン・オイルとカナダのタリスマン・エナジーが撤退を表明し、政府は危機感を募らせている。

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投資家が消極的になっている現状に対応し、政府は2月に発表した規制緩和策の法制化に取り組む。ただ、新法発効は早くて来年初めとなりそうだ。

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アーネスト&ヤング(E&Y)のパートナーであるマテウシュ・ポチアスク氏の試算によれば、昨年10月の政府案が実行に移された場合、企業の課税負担は合計で約80%に上昇する。撤退を決めたタリスマン・エナジーのポーランド開発責任者だったトム・マイ氏は政府の方針はまさしく「捕らぬ狸の皮算用」だと批判する。政府は業界の反応を重く見て、税率を予定よりも低く設定する方針のようだ。

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ポーランドはこれまでに100件を超える開発免許を交付した。現在40本あまりの試掘井が稼働しているが、生産開始は2015年以後になる予定だ。(東欧経済ニュース11月28日号「ポーランドが巨額のエネルギー投資、原発・シェールガス開発を柱に」、10月24日号「石油・ガス企業に新たな課税制度を導入へ」を参照)

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