2013/5/22

チェコ・スロバキア

チェコ、電気自動車普及に課題

この記事の要約

チェコの電気自動車(EV)販売が振るわない。2012年の販売台数は89台で、新車販売に占める割合はわずか0.05%だった。チェコ電気自動車協会(ASEP)によると、国内のEV保有台数は250台にとどまっている。\ EVの […]

チェコの電気自動車(EV)販売が振るわない。2012年の販売台数は89台で、新車販売に占める割合はわずか0.05%だった。チェコ電気自動車協会(ASEP)によると、国内のEV保有台数は250台にとどまっている。

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EVの普及が進まない理由としてASEPのディトリッヒ会長は、EVの購入にメリットが少ないことを挙げる。欧州各国はEVに対しさまざまな補助金・税制優遇制度を導入しているが、チェコでは企業が社用車としてEVを使用する場合に道路税が出力に応じて年間50~160ユーロ免除されるのみ。道路税は社用車に課されるものであり、個人がEVが購入しても税制上の優遇措置はない。一方、政府は公的機関や公営企業で低炭素車の導入を進めるほか、プラハ、ブルノ、オストラバなど主要都市で一定の排ガス基準を満たさない車両の通行を禁じる「低排出区域」の設定や低排出車のための無料駐車場の設置を計画しており、これらの施策がEVにとって追い風となるとの期待もある

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充電インフラが貧弱なことも、EV普及の足かせとなっている。ASEPによると、現在チェコ国内には電力大手CEZなどが運営する210カ所の充電スタンドが設置されているが、このうち20分で充電が可能な急速充電装置を備えたスタンドは10カ所しかなく、大半のスタンドでは充電に1~3時間かかる。政府の試算によると、2040年までにEVの充電に必要な電力は年間300ギガワット時(GWh)になる見通しで、CEZやPRE、RWEといった大手電力会社はスタンドの整備に力を入れている。自動車販売大手AAAオートも国内19カ所にある支店に充電装置を設置する計画を表明している。

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チェコでは現在、プジョー、シトロエン、オペルのEVが販売されている。今年はシュコダ、ルノー、シンク、テスラ、比亜迪汽車、日産がEVを投入する予定だ。

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