2014/1/15

チェコ・スロバキア

「欧州の自動車工場」、将来も有望=スロバキア

この記事の要約

独デュースブルク・エッセン大学自動車リサーチセンター(CAR)のドゥーデンヘッファー教授はこのほど、スロバキアは欧州の自動車工場として今後も有望との見方を示した。\ 同国では独フォルクスワーゲン(VW)、韓国の起亜自動車 […]

独デュースブルク・エッセン大学自動車リサーチセンター(CAR)のドゥーデンヘッファー教授はこのほど、スロバキアは欧州の自動車工場として今後も有望との見方を示した。

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同国では独フォルクスワーゲン(VW)、韓国の起亜自動車、仏プジョー・シトロエン(PSA)が工場を操業する。スロバキア自動車工業会(ZAP)の推計によると、2013年の生産台数は93万台で、前年の高い水準(92万6,000台)を維持した。12年は新工場稼動などで生産が前年比で44%拡大している。

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ドゥーデンヘッファー教授によれば、3社のうちVWと起亜は順調だ。しかし、中国・東風汽車と資本提携交渉中のPSAは企業再編を実施しており、同社のトルナバ工場の将来も不透明という。

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ZAPが研究開発(R&A)部門の育成に意欲を示していることについては、「非現実的」とコメント。比較的安価で質の高い労働力を確保し、助成を提供して、現在の有利な条件を維持することが肝要と指摘する。これにより、スロバキアは「生産現場」にとどまるが、「他に勝る優れた生産現場」になるとみている。

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スロバキア自動車業界の製品輸出比率は9割を超える。しかし、今後は自国での販売も拡大する見通しだ。

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中東欧の自動車販売台数は昨年の74万台から2020年には100万台に増え、その後も増加を続けるとみられている。その背景には、人口千人あたりの自動車普及台数が西欧の500台に対して中東欧ではまだ300台に過ぎないことなどがある。

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欧州自動車市場も緩やかに回復する見通しで、「欧州の自動車工場」であるスロバキアを取り巻く環境は良好なようだ。

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