2015/1/28

ロシア

ロシアの対外債務が18%縮小、欧米の制裁で借り換え困難に

この記事の要約

ロシア中央銀行が20日発表した統計によると、2014年12月末時点の対外債務残高は5,995億ドルで、1年前に比べて約18%縮小した。ウクライナ情勢を受けた対ロ制裁により、ロシア企業は外貨資金の調達が極めて困難になってい […]

ロシア中央銀行が20日発表した統計によると、2014年12月末時点の対外債務残高は5,995億ドルで、1年前に比べて約18%縮小した。ウクライナ情勢を受けた対ロ制裁により、ロシア企業は外貨資金の調達が極めて困難になっている。欧米の金融機関から借り換え融資を得られない企業が債務の返済を進めた結果、公的部門と民間部門を合わせた対外債務は昨年1年間に約1,300億ドル減少した。

ロシアでは金融機関と企業の対外債務が全体の90%を占めている。こうした民間部門の債務残高は5,476億ドルで、前年の6,512億ドルから約20%縮小した。政府と中銀の債務もそれぞれ617億ドルから415億ドル、160億ドルから104億ドルに減少している。

ロシア中銀は昨年12月末、欧米による制裁の影響で国外市場での資金調達が難しくなっている企業に対し、ドルやユーロ資金を供給して対外債務の借り換えを支援する方針を打ち出した。中銀によると、金融機関や国営企業を含めた民間部門が抱える対外債務のうち、年内におよそ1,000億ドルが返済期限を迎える。対ロ制裁に加え原油価格の下落に伴うルーブル安を背景に、返済能力が低下している企業を下支えして、債務不履行(デフォルト)を回避する狙いがある。