2015/4/29

総合・マクロ

ロシア、アルゼンチンとの提携強化

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は23日、同国を訪問中のアルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス大統領と会談し、両国の提携強化に向けた一連の文書に調印した。欧米の対ロ制裁を受けて中南米との関係緊密化を狙うロシアと、外国からの投資 […]

ロシアのプーチン大統領は23日、同国を訪問中のアルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス大統領と会談し、両国の提携強化に向けた一連の文書に調印した。欧米の対ロ制裁を受けて中南米との関係緊密化を狙うロシアと、外国からの投資促進を目指すアルゼンチンの思惑が一致した形だ。エネルギーを始めとする産業・経済分野のほか、貿易・防衛で協力の具体化を図る。

エネルギー分野では、ガスプロムとアルゼンチン国営石油企業YPFが提携覚書を交わした。ガスプロムはアルゼンチンにおける探索事業に関心を示す。

ロシア原子力公社(ロスアトム)はブエノスアイレスの北に位置するアトーチャ原子力発電所第3号機建設の受注で基本合意した。早ければ年内にも資金協定を締結するもようだ。

ロシアはまた、アルゼンチン中部を流れるネウケン川水力発電所の建設資金も融資する姿勢だ。さらに、重機製造のウラルマシはアルゼンチンにおける石油産業機械の合弁生産を検討している。

貿易分野では、両国取引を従来の米ドル建てからペソ・ルーブル建てに変更する可能性を検討する。

ロシアは欧米からの制裁を受けて中南米との関係強化に力を入れている。昨年7月にはプーチン大統領がブラジル、キューバ、アルゼンチン、ニカラグアの4カ国を訪問した。

一方でアルゼンチンは、エネルギー完全自給への復帰に向けて投資受け入れを目指している。フェルナンデス大統領はこれに必要な投資額を2,000億ドルとみており、主要プロジェクトとしてパタゴニア地方ヴァカ・ムエルタ層でのシェールガスなどの非在来型資源開発などを挙げた。