2015/4/29

CIS諸国

カザフスタン大統領選挙、現職のナザルバエフ氏が圧勝

この記事の要約

カザフスタンで26日、大統領選挙が前倒しで行われ、現職のナザルバエフ氏が97.7%(速報値)を得票して圧勝した。任期は5年。ナザルバエフ氏はソ連崩壊前の1990年春以来、25年大統領の座にある。今回の選挙も他の2候補は無 […]

カザフスタンで26日、大統領選挙が前倒しで行われ、現職のナザルバエフ氏が97.7%(速報値)を得票して圧勝した。任期は5年。ナザルバエフ氏はソ連崩壊前の1990年春以来、25年大統領の座にある。今回の選挙も他の2候補は無名の政治家で、実質的には信任投票の様相を呈した。

大統領選挙は本来、来年に行われるはずだった。しかし、権力交代の憶測が流れ、これを掻き消すために、ナザルバエフ氏自らが主導して前倒しで実施された。

ナザルバエフ大統領は、国境を接するロシア、中国とバランス良い外交関係を保ってきた。また、イスラム原理主義の脅威が増す中で多数の民族が混在する中央アジアの不安定化を防いできた。ただ、政治的反対派の弾圧といった強権的措置をめぐって、欧米などからは批判を受けている。

英企業コンサルティング会社GPWのパートナーであるケイト・マリンソン氏はカザフスタン経済について、原油価格低迷で景気が減速している一方、ロシア・ルーブル下落で国内企業の価格競争力が低下していると指摘する。これを背景に市場における通貨テンゲの下げ圧力が高まっており、ナザルバエフ大統領は再選後第一の課題として、テンゲの安定化に取り組むことになると話している。

また、ウクライナ紛争の政治的・経済的影響を克服するとともに、近く訪れる不景気を切り抜けるため、大統領が自らの権威強化を狙うと予測する。

さらに、74才という年齢からも今任期中に後継者へのバトンタッチの道筋が示せるかどうかも注目される。