2015/4/29

チェコ・スロバキア

チェコ、20年までにユーロ導入日程を決定

この記事の要約

チェコ政府は27日、2020年までに欧州単一通貨ユーロの導入日程を決定する方針を明らかにした。欧州危機の長期化などで国民の懸念が強まっていることを受け、具体的データに基づいた冷静な議論を促進する考えだ。 チェコはすでにマ […]

チェコ政府は27日、2020年までに欧州単一通貨ユーロの導入日程を決定する方針を明らかにした。欧州危機の長期化などで国民の懸念が強まっていることを受け、具体的データに基づいた冷静な議論を促進する考えだ。

チェコはすでにマーストリヒト条約に定める条件をクリアし、ユーロ導入の前段階である「欧州為替変動メカニズムⅡ(ERMⅡ)」に参加できる状態にある。しかし、2009年以来続く欧州危機の最終的解決の糸口が未だに見えないことから、慎重論が強まっている。

社会民主党のソボトカ首相とゼマン大統領が導入に積極的なのに対し、新党ANOのバビシュ財務相兼副首相は以前から強い懸念を示している。このため、連立協約では具体的日程の決定を2017年の次回選挙以降に先送りした。首相と大統領が提案する20年導入が実現できるかどうかは微妙だ。

実業界出身のバビシュ財務相は、27日付『フィナンシャル・タイムズ』紙で改めて導入に慎重な立場を強調した。導入費用の高さや輸出企業への影響に加え、くすぶるギリシャ債務不履行のリスクを理由として挙げている。ギリシャについては「財政破たんは事実。その負担をだれが負うのか、欧州中銀なのか、国際通貨基金なのか、一般市民なのか、銀行なのか、それが明確となっていない」と批判している。

チェコはポーランドやハンガリーと同様に、04年の欧州連合(EU)加盟以降も自国通貨を維持している。ただ、加盟に当たってユーロ導入を約束しており、将来のある時点で導入することが義務付けられている。