欧州委員会は3日、ハンガリーとオーストリアの新たな国境地域間協力プログラム（インターレグ）を採択した。欧州連合（EU）による地域政策の一環で、総予算9,590万ユーロのうち7,880万ユーロをEUが拠出する。国境地域の環境保護に加え、越境交通路の整備や市町村の提携を通じて地域経済を支援する。
重点の一つが環境保護への取り組みだ。両国の国境地域に一続きの自然保護区域を設け、生物多様性の維持を図る。また、両国に共通する自然・文化の伝統の継承を目指す。
もう一つの重点は住民や企業の利便性向上で、越境交通路の新設・拡充で行き来を容易にする。汎欧州輸送網（TEN-T）への接続を改善し、長距離移動の足も確保する。
また、司法・行政機関の協力深化を目標に、言語習得から共同雇用対策の実施まで、さまざまな可能性を探る。
このほか、中小企業の越境ビジネス計画の策定を支援し、投資を含め地元企業へのサポートに力を入れる。
今回の協力プログラムの対象となる地域には、ハンガリーのジュール・モション・ショプロン県、ヴァシュ県、ザラ県と、オーストリアのブルゲンラント州全域、ニーダーエスタライヒ州南部、ウィーン近郊地域南、ウィーン市、グラーツ市および東シュタイアーマルクが含まれる。
