2015/7/8

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

中国、バルカン半島でのインフラ整備事業を活発化

この記事の要約

中国がバルカン半島での鉄道や港湾などインフラ整備事業を拡大する動きを見せている。現在、中国路橋公司(CRBC)がスロベニア政府との間で、アドリア海に面したコペル港までの線路の敷設のため半官半民の合弁企業を設立する方向で調 […]

中国がバルカン半島での鉄道や港湾などインフラ整備事業を拡大する動きを見せている。現在、中国路橋公司(CRBC)がスロベニア政府との間で、アドリア海に面したコペル港までの線路の敷設のため半官半民の合弁企業を設立する方向で調整している他、同港の埠頭の整備にも関心を示している。CRBCはまた、セルビアとモンテネグロ国境までの自動車道建設プロジェクトに関する交渉への参加が先ごろ報じられており、同地域のインフラ事業への関与を強めている。

CRBCが合弁企業設立に乗り出すのはスロベニアのディバーチャからコペル港までの鉄道敷設事業。建設費用は14億ユーロで2020年までの完成が予定されている。コペル港はスロベニア唯一の商業港で、完成すれば港湾貨物の国内への輸送がスムーズになるものと予想される。また同国のガスペルジッチ・インフラ担当相は、新たな埠頭の建設が予定されているコペル港の整備事業について、建設と運用を中国企業に任せる可能性を排除していないと述べた。

CRBCは他の大型プロジェクトにも関与している。昨年、ハンガリー及びセルビア政府との間でブダペストとベオグラードを結ぶ高速鉄道の建設で合意したのに続き、今年5月にはCRBCを含む2つの中国企業がセルビアとモンテネグロ国境を結ぶ自動車道建設をめぐる交渉をセルビア政府との間で進めていることが報じられている。

6月29日に行われた欧州連合(EU)-中国サミットでは中国の李克強首相が欧州のインフラ整備事業に協力していく旨を表明している。