2015/9/16

自動車

外国自動車メーカー、露工場の製品輸出に前向き

この記事の要約

ロシアで自動車を生産する外資系自動車メーカーが、現地生産車と部品の輸出拡大を検討している。国内市場が景気後退で低迷していることに加え、通貨ルーブルの大幅下落で輸出が有利になったとの見方が背景にある。9日付の現地日刊紙ヴェ […]

ロシアで自動車を生産する外資系自動車メーカーが、現地生産車と部品の輸出拡大を検討している。国内市場が景気後退で低迷していることに加え、通貨ルーブルの大幅下落で輸出が有利になったとの見方が背景にある。9日付の現地日刊紙ヴェドモスチによると、中国の自動車用ガラス大手、福耀ガラスがすでにカルーガ工場の製品の輸出を開始した。

福耀ガラスは2013年にカルーガで生産を開始した。現地子会社のシ・チュン社長はルーブル安を追い風に輸出が早いペースで拡大すると予測する。まずドイツ、ベルギー、フランス、スペインへの輸出に注力するという。

独自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は9月初め、カルーガ工場で生産する乗用車の輸出を検討していることを明らかにした。同市のアルマモノフ市長も先ごろ、同社が自動車の輸出を計画していることを示唆している。スウェーデンのボルボも、需要減少を理由に生産を停止していた乗用車のキャビン部分の製造を10月から再開するとともに、同社の他の海外生産拠点に供給する計画という。

ロシアの欧州ビジネス協会(AEB)によると、今年上半期の国内新車販売台数は前年同期比で36%の大幅減となり、直近の8月も前年同月比で19.4%落ち込んだ。これまでに多くの自動車メーカーが生産調整を余儀なくされている。