2015/9/16

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコのQ2成長率、予想を上回る3.8%

この記事の要約

トルコ統計局(TUIK)が10日発表した2015年4-6月期の国内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで3.8%増加し、ロイター通信集計のアナリスト予想を0.35ポイント上回った。自動車、家電、住宅などの需要好調で民間消 […]

トルコ統計局(TUIK)が10日発表した2015年4-6月期の国内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで3.8%増加し、ロイター通信集計のアナリスト予想を0.35ポイント上回った。自動車、家電、住宅などの需要好調で民間消費が5.6%拡大したほか、企業投資が11.4%伸びて成長を支えた。また、議会選挙を前に政府支出が7.2%増加したことも寄与した。1-6月期の成長率は3.15%。1-3月期の成長率は2.5%へ0.2ポイント上方修正された。経済自体は堅調な回復ぶりを示しているが、政治的空白の長期化や治安悪化などが先行き不透明感を生み、今後は減速するとみられる。

4-6月期の業界別の付加価値は、建設業を含む製造業とサービス業がそれぞれ4.1%増加した。また、好天に恵まれたことなどから農業も6.7%と大きく伸びた。

トルコでは6月議会選挙後の連立協議が失敗し、11月の再選挙が決まった。しかし、与党・公正発展党(AKP)が再び過半数割れになる可能性が強く、政治的空白のさらなる長期化が懸念される。東南部を中心にクルド武装集団と警察当局との衝突が激化し、治安悪化への不安もある。経済面ではインフレ加速、中銀による金融引き締め策が予想され、今後は成長のペースが落ちることが確実視されている。

世界銀行は7月1日発表の最新予測で、今年のトルコ経済成長見通しを3%に据え置いた。来年と2017年については3.5%とし、従来予測からそれぞれ0.4ポイント、0.2ポイント引き下げた。