コーヒー小売で国内最大手のTchibo(ハンブルク)は、コーヒーマシンメーカーの伊Saecoとカプセル用コーヒーマシン事業で提携する。共同でカプセル用マシンを開発・製造・販売するほか、特許を相互利用できるようにする。デパートなどに販路を持つSaecoと組むことで販売網を拡張し、ネスプレッソ(ネスレ)の牙城を切り崩す狙いだ。7日付『ヴェルト』紙が消息筋の情報として報じた。
\今回の提携の背景にあるのは、コーヒーカプセルの利幅の高さだ。コーヒーカプセルの国内販売価格はネスプレッソで1個43セント、TchiboのCafissimoで25~40セントに上る。500グラム換算ではネスプレッソが約30ユーロ、Tchiboが約20ユーロで、通常のコーヒー豆の平均(4ユーロ)の5~8倍に達する。コーヒーカプセルはマシンとセットで利用するため、マシンのシェアが伸びれば必然的にカプセルの売り上げも増える。
\TchiboはCafissimoを全国1,000カ所の店舗とネットショップで販売しているが、スーパーマーケットなど他の小売業者には卸していない。一方、Saecoは4年前に蘭フィリップスの傘下に入ったため、家電専門店や百貨店などに販売網を持つ。TchiboはSaecoと提携することで一気に販売網を獲得できる。Saecoにとってもカプセル用マシン市場に参入できるメリットがある。
\TchiboはCafissimoマシンの製造を独中堅メーカーSeverinに委託している。Saecoとの提携で同社との契約を打ち切るかについては全く白紙の状態という。
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