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2014/1/29

経済産業情報

EUの温効ガス新削減目標、追加費用はGDP比0.7%以下

この記事の要約

ポツダム環境影響研究所(PIK)、蘭ユトレヒト大学などの国際研究チームは、欧州連合(EU)がさきに提案した「温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で40%削減する」新たな目標の達成に必要な追加費用は域内総生産( […]

ポツダム環境影響研究所(PIK)、蘭ユトレヒト大学などの国際研究チームは、欧州連合(EU)がさきに提案した「温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で40%削減する」新たな目標の達成に必要な追加費用は域内総生産(GDP)比で0.7%以下にとどまるとの試算結果を明らかにした。EUの欧州委員会は同目標に対する加盟国の同意を年内に取りつけたい考え。各国が大きな経済的負担を強いられることなく達成可能との試算結果は欧州委にとって大きな後ろ盾となりそうだ。

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PIK、ユトレヒト大学、米マサチューセッツ工科大学(MIT)など7カ国の研究者からなるチームは、再生可能エネルギー、原発、エネルギー効率改善などのさまざまな技術や制度を、いつ・どの程度投入するのがEUの長期温効ガス削減目標(50年までに1990年比で80%削減)の達成に最適か、また、GDPの目減りといった経済的な影響が出るかを、複数の世界エネルギー経済モデルを基に比較した。この結果、共通のシナリオとして◇バイオマスエネルギーが2050年までに現在の3倍以上、風力エネルギーが同7倍に拡大する◇原発の利用が大きく伸びることはないが、電力市場で大きな役割を演じ続ける――などが浮かび上がり、既に実用化されている技術の活用で目標は十分に達成できることが示された。一方、EUが重要な技術の1つと位置付ける二酸化炭素分離・貯留(CCS)については、「重要な役割は果たさない、必ずしも必要ではない」とする経済モデルが大半を占めたという。

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