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2015/9/23

経済産業情報

独自動車2社がブラジルで生産調整

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)がブラジルの工場で生産調整を実施する。現地法人が18日明らかにしたもので、サンパウロ近郊のアンシエタにある工場で従業員の労働時間と賃金を20%削減することで合意した。同国の経済不振 […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)がブラジルの工場で生産調整を実施する。現地法人が18日明らかにしたもので、サンパウロ近郊のアンシエタにある工場で従業員の労働時間と賃金を20%削減することで合意した。同国の経済不振を受けて自動車需要が大きく落ち込んでいることが背景にあり、独ダイムラーの現地工場でも最近、操短が取り決められた。

アンシエタ工場は従業員数が1万1,600人で、小型車「ゴル」とピックアップ「サヴェイロ」を生産している。VWは今後、操短手当の確保に向けて現地当局と交渉する。ブラジルでは操短で削減された賃金の半分を操短手当として国が支給するルールがある。

VWは今春、サンパウロの北東およそ150キロのタウバテにある工場でも生産調整を行った。

同社はブラジルで大規模なリストラを計画しているもようだ。ドイツ銀行によると、VWのハンス・ディーター・ペッチュ取締役(財務担当)は同行で行った説明会で、10-12月期(第4四半期)にブラジル事業で1億ユーロのケタ台の引当金を計上することを明らかにしたという。

ダイムラーもサンベルナルドの商用車工場で操短と賃金カットを実施する。同工場の従業員数は1万人。当初は1,500人の解雇計画を打ち出したが、従業員と労組の反発を受けて変更。操短・賃金カットで合意した。